購入型クラウドファンディングを実施したいけど、プロジェクトを開始するまでが大変そう。そんな悩みを抱えておりませんか?私も初プロジェクトの時は、ページ制作スキルがゼロだったので、何日もかけて作ったのを覚えています。
一方で、Webマーケティング関連書籍を15冊以上読み漁っていくと、ランディングページ制作には、決まった法則があることが分かってきました。その中でも、論理的で、より体系化されていた中尾豊氏のやり方に従ってクラウドファンディングを実施した結果、212,000円のご支援を頂くことが出来ました。
今回はこの効果的なやり方に従い、クラウドファンディングLPの作り方をご紹介していきます。
こんな方にオススメ
・自分でクラウドファンディングLPを作りたい。
・ランディングページの構成(型)を知りたい。
・外注せずに極力コストを抑えたい。
マーケティング戦略の決定
LP制作の前に、必ず実施しなければいけないことがあります。それは、ランディングページを誰に訴求するのかを明確にすることです。そして競合他社に対して、どんな強みを持っているのか確認することです。事前にそれらを確認しておき、後のLP制作に内容を盛り込んでいきます。
これをやっておくとやっておかないとで、訴求力のあるLPになるかの分かれ目になる程とても重要です。
・ターゲティング:誰に訴求するのか ・ポジショニング:どんな強みを持っているのか
ではここからは、実際に自分で実施したプロジェクトを例に考えていきたいと思います。このプロジェクトでは、「クロコダイル革三つ折り財布」をリターン品として支援をお願いしました。
ターゲティングの決定
当時オンラインストアを開設してから16か月(22年3月時点)が経ち、当社の顧客層が見えてくるようになってきました。当社クロコダイルレザー商品を購入して下さるお客様というのは、クロコが好きな30代から50代の男性が90%以上を占めます。
さらにSNSやインタビューで情報収集すると、以下のようなお客様が沢山いらっしゃることが分かってきました。
ペルソナの設定
・外回り営業で公共機関を頻繁に使用する。 ・接待などで人前でお金を支払う機会がある。 ・身なりや訪問しているお店がお洒落である。
このようにお客様像、つまりペルソナを具体的に設定しました。というのも、商品を手にして、本当に喜んでもらえるお客様にリーチしたいからです。また、適切な支援者に訴求することができるので、たくさん支援をしてもらう事にも繋がるからです。
ポジショニングの見える化
次に競合他社との差別化を考えました。何故なら、もし他社と同じような商品であれば、たとえ適切な顧客層にリーチできても、当社から購入する理由がないからです。
言い換えれば、他社ではなく当社から購入しないといけない根拠を明確にする必要があります。
ポジショニングマップの作成
先ほど明確にしたペルソナを基に、三つ折り財布に求められている要素を二つ仮定しました。それは、機能性とコンパクトなサイズです。
というのもペルソナの特徴では、お金を支払う機会が多いので、①使い勝手(機能性)の良い財布、そして外に出かける機会が多い為、②携帯性に優れる財布が良いと考えたからです。
上図のように、当社の競合になる企業の三つ折り財布の特徴を洗い出してみました。すると機能性の部分で差別化できるポイントが見えてきました。
他社との違いを見える化
・コインケースにボタンが有ること。 ・カード収納箇所を複数持つこと。 ・お札が三つ折りにならないこと。 ・お札、小銭、カードの取り出しをワンアクションにすること。
したがって、上記した特徴を持つクロコダイル革三つ折り財布を製作することにしたわけです。
一方サイズは、競合2社の中間サイズに落ち着きました。というのも、サイズの小ささと機能性の共生が難しかったからです。そこで、私は何度も工房の職人さんと打ち合わせを重ね、機能性を維持できる最小サイズを設定しました。
ここまでのまとめ
ここまでをまとめると、商品を支援してもらうペルソナを明確にして、他社との差別化を図りました。その結果、クラウドファンディングのLPでもこれらの特徴をしっかりと表現していくことで、より魅力的なLPが制作できるというわけです。
欲求充足型LPの構成を検討
やっと本題のクラファンのランディングページの作り方です。当社の商品は、ぜいたく品と呼ばれるものになります。他には、高級ブランドの洋服、運転してみたい車などが対象になります。
よって、欲求を満たしたいと思っているお客様に訴求する、欲求充足型のDモデルに従って構成していきます。他のモデルについてはコチラの記事をご覧ください。
欲求充足型Dモデル
① 共感(発見)を得るパート ② 信用してもらうパート ③ 想像してもらうパート ④ 比較してもらうパート ⑤ 不安を解消するパート ⑥ 買う理由(言い訳)を作るパート ⑦ 行動を促すパート
さあ、では一つずつ具体的に見ていきます。
共感(発見)を得るパート
Dモデルに当てはまる潜在的お客様は、既に自分が欲しい商品がイメージできています。ですからLPというのは、お客様自身が持つイメージとピッタリの商品であるかどうかを確認する場といってもいいでしょう。
そして、もしお客様が想像または期待している以上の商品であればあるほど、購入意欲が高まります。したがって、先ほど見える化した「他社との違う点」も訴求していきます。
小さいのに圧倒的な存在感
ペルソナで設定したのは、クロコダイルレザー好きな30から50代の男性でした。一般的にクロコダイルレザーは、天然のものとは思えないような均等に並んだ腑模様の美しさから「革のダイヤモンド」と称されています。言い換えると、革の中でも圧倒的な存在感があります。
したがって、小さい財布ではあるものの、クロコ革の圧倒的な存在感を表現していきたいと思います。
お札が折れない三つ折り財布
次にお客様の期待・想像を超える訴求をしていきます。三つ折り財布と言えば、お札が折れてしまうのが一般的なネガティブポイントですよね。そこで、お札が折れない三つ折り財布を作り、訴求していきます。
ここでは「なぜお札が折れないのか」のメカニズムを、分りやすく図解で説明していきます。それに加えて、お札が折れないことによって生じるメリットを提示していきます。
・会計時に嫌がられない。 ・風水的にも良い?!
全動作がワンアクション
次もお客様の期待・想像を超える訴求をしていきます。それは縦型三つ折り財布にすることで、お札・小銭・カードの全動作をワンアクションで実現するという点です。
通常の三つ折り財布は、小銭入れが外側についていることが多くあります。この場合、支払いの動線を考えた時に、1-2つの動作が増えます。
例えば、①お札で支払うため財布を開けます。小銭を受け取った後、小銭を収納するのに、②一度財布を閉じて、③小銭入れを開けるといった感じです。
ここまでのまとめ
このパートをまとめると、クロコダイルレザーの圧倒的な存在感を表現することで、お客様の共感を得ます。そして良い意味で、お客様の三つ折り財布に関する固定概念を裏切ることで、ワクワク感を高めていくことにしました。
信用してもらうパート
共感・発見を得た後は、信用してもらうパートです。皆さんも、聞いたことのないお店から商品を購入する時ってどうしますか?おそらく購入されたお客様のレビューや、そのお店の達成した実績などを見るかと思います。
ですからこのパートでは、そういった「権威性」や「実績」を明示していきます。その際に、販売数や購入者の満足度を数値化すると効果的です。もちろんしっかりとデータの根拠を示すことも忘れずに。
過去のクラファン実績
過去のクラウドファンディングで成功しているプロジェクトであれば、支援する方も安心しませんか?ですから私の場合、過去にクラウドファンディングを実施して、支援金額50万円を達成した実績を明示しました。
王室御用達の工房
お客様の中には、海外産クロコダイル革製品の品質を心配する声があるので、タイ王室御用達の工房で製作されていることを強調することで、権威性を持たせました。
お客様のレビュー
さらに、権威性を裏付ける為にオンラインストアで購入してもらったお客様のレビュー内容や件数を掲載するようにしました。( 48件のレビュー実績。5点満点中4.6点 ) ※2022年6月時点
想像してもらうパート
このパートでは、お客様が商品を購入した後の「疑似体験」ができるようなコンテンツにします。お客様のイメージが、具体的になればなるほど、興味・関心が高まります。ですのでここでは、徹底的に具体的な内容を盛り込んでいきたいと思います。
スペック(サイズ・重量・厚み)
スペックの詳細を数値化します。当たり前のことですが、とても重要な情報です。
原産国 | タイ王国 |
サイズ (cm) | 9.5 x 7.5 |
厚み (cm) | 2.5 |
重量 (g) | 55 |
内側収納 | カード数 x 3-5 小銭入れ x 1 紙幣入れ x 1 |
さらに、実際に人が財布を手に持った画像や身近にある物と比較した画像を使って、サイズ感をイメージしやすいように表現したいと考えました。
小さいのに十分な収納量
ズボンのポケットに入れた時の収まり感であったり、お札の枚数、小銭の数、カードの枚数を具体的に数値化して、どれくらい収納できるのか疑似体験できるように工夫しました。そして、イメージし易いように画像やGIF(動く画像)を使用しました。
ボタン付き小銭ポケットだから安心
小さなお財布にある小銭ポケットにスナップボタンがないことがありますが、当商品ではボタンがついております。そこで、小銭落下の心配がないことも訴求していきました。使い勝手をイメージするうえでも、大切なポイントではないかと思います。
お札の収納が2通り
実は当商品は、お札の収納が2通りあります。使い方は、お客様の好みによって使い分けることができるようになっております。したがって、事前にその使い方についての説明をすることで、お客様がどのように財布を使おうか想像できるようにしました。
様々なカラーバリエーション
お客様の嗜好に合うように、なるだけ多くのカラーバリエーションを取り揃えようと考えました。
・クロコ黒 X 牛革黒 ・クロコ黒 X 牛革紫 ・クロコ黒 X 牛革赤 ・クロコ紺 X 牛革茶 ・クロコ灰 X 牛革未定
比較してもらう・不安を解消するパート
このパートでは、競合する企業と比較できるデータを集約しましょう。基本的にお客様は、購入しようとしている商品は他社の商品と比較して決めるものです。その際に、お客様が抱く不安材料も解消してあげることで、購買意欲を高めてもらえます。
例えば、航空券を購入する際も、価格比較サイトを使用して購入するかと思います。そんなイメージです。その際に、日本語でのカスタマーサービスがあるか、値段は安いかなど不安材料がありますよね。それらを解消できるコンテンツが含まれていると、お客様の購買意欲も高まりますよね。
競合他社との比較
一目でわかるように競合他社との比較リストを作成しました。比較リストで疑似体験をしてもらい、お客様自身で比較する手間を省き、自社商品に興味を持ってもらえるように工夫しました。
企業名 | First Reach | A社 | B社 |
原産国 | タイ王国 | 日本 | ベトナム |
サイズ (cm) | 9.5 x 7.5 x 2.5 | 10.2 x 6.5 x 2.0 | 10.0 x 7.0 x 3.0 |
重量 (g) | 55 | 40 | 60 |
内側収納 | カード数 x 3-5 小銭入れ x 1 紙幣入れ x 1 | カード数 x 4-5 小銭入れ x 1 紙幣入れ x 1 | カード数 x 5 小銭入れ x 1 紙幣入れ x 1 |
使用レビューの掲載
お客様にとって、これまで聞いたことのないブランド商品を購入することは不安なものです。ですから、実際にお客様に使用してもらい、実際のレビューを投稿しました。そうすることで、購入を検討しているお客様の不安を解消できると考えました。
腑柄の選択サービス
先着順で、支援いただいたお客様に商品の腑柄を選択できるサービスです。こちらは自社サイトでの販売で、たくさんのお客様に喜ばれているサービスを活かしたアイデアです。
一般的な牛革と比較すると、クロコダイルレザーの模様は個体差が顕著で、ひとつとして同じものは無く、全ての腑柄は異なります。
ですから、お客様がイメージしている腑柄と違うケースがあります。もし違っていたら残念ですよね。そんな不安を解消するために、「腑柄の選択サービス」をPRしていこうと考えました。
買う理由(言い訳)を作るパート
ぜいたく品と呼ばれる欲求商品を検討されているお客様は、感情的に読み始め、論理で購入するとあります。つまり、初めは商品を購入した後のイメージで、ワクワク感がありますが、そのワクワクを理性で抑えようとします。
「こんな贅沢していいのだろうか」
「本当に今買う必要があるだろうか」etc
次回の入荷未定を訴える
この三つ折り財布の開発・生産は、お客様の需要があって成り立ちます。ですから、もしこのプロジェクトが成功しなければ、需要が少ないと判断できるので、次回の追加生産は中断する可能性が高いです。
ですから、「次回の入荷未定」と伝えることで、このチャンスを逃したら購入できないかもしれないという言い訳を提供することにしました。
行動を促すパート
ここではお客様の行動をより軽やかにしてもらうための施策が必要です。欲求商品の場合、早割キャンペーン、数量限定、送料無料など、お客様の心理的抵抗を下げる工夫が大切です。
お得感でアクションしやすく
この三つ折り財布は、クラウドファンディングの場が初めて市場に出るタイミングでした。つまり、新商品を一番早く手に入れることができる場所になります。
それだけでなく、クラファン用に数量限定で特別価格を設定しました。そうすることで、お得感を感じることができ、購入のアクションを取りやすくしました。
映像(イメージ)の準備
LPの構成が決まったら、さらに魅力的なLPにする為の作業を行っていきます。それが、映像の活用です。映像は、文字では表現・伝えることが難しい部分を補完してくれます。
よって、文字では伝えにくいパートに映像を挿入していくことで、より訴求されたLPに仕上げることができます。そんな便利な映像にも、いくつかの種類があるので、自分が何を伝えたいかで使い分けてみてください。
画像の活用
画像があることで、商品のイメージが湧きやすくなるだけでなく、細かい部分が伝わりやすくなります。
ただ光の反射具合などで、実物の色合いと異なったりすることもあり、誤解を招く場合もあります。画像を撮影する際は、より実物に近い色合いが出せるよう、細心の注意が必要です。
GIFの活用
GIFとは、動きがループする画像のことです。画像よりも、動作を伝えるのに便利です。さらに、勝手に画像が動いてくれるので、クリックしないと見られない動画よりも、格段に見られる機会も多くなります。
しかしながら、使用できる色数が限られていることもあるため、鮮明な描写は得意としません。それに加えて、音声も付与することはできません。
動画の活用
動画は、色や動作など多くの情報を正確に伝えることができます。それに加えて、人の感情にも訴えやすく記憶に残りやすいと言われています。
一方、動画を見てもらう為には、余計に1クリック押してもらう必要があるため、LPに訪問しに来たお客様全員が見てくれるわけではありません。
LP制作を外注する
やっぱり自分自身では、クラウドファンディングのLP制作ができそうにない、または学習時間やLP制作時間が確保できないという方。
そんな方は、いさぎよく外注して、自分の得意とする分野(商品の製作など)に注力するのも有りかもしれません。その場合は、割安でWebサイト制作を外注できる「ココナラ」はいかがでしょうか?
ココナラの強み
- 作業は全部丸投げOK(ブログの目的、問題、ペルソナの共有したほうが良いです。)
- 制作者と直接取り引きできる為、余計なマージンがかからず、業者と比べて圧倒的に安い。
- 検討や依頼から納品まで、すべてネット完結。
- 制作サンプルやレビューが掲載されているので、比較が超簡単。
少額予算からでも依頼可能なので、まずはチェックしてみるのをオススメします。