これまでにも、個人(事業主)や中小企業にオススメする集客方法の一つ、クラウドファンディングをオススメしてきましたが、今回自らプロジェクトを実施しました。
その結果を踏まえながら「良かった点」「大変だった点」を振り返り、次に繋げる為の改善案を考えていきます。そこで当記事では、こんな悩みを解決します。
- 個人でもクラファンを実施できるのか知りたい。
- 個人が実施したクラファンの実例を知りたい。
- 個人で実施するメリット・デメリットが知りたい。
- なるだけ先人の経験を活かしたい。
よく「個人事業主でもできるクラウドファンディング」といった記事が量産されていますが、大抵それらの記事は、企業によって書かれています。一方、実際にクラファンを実施した個人の記事は、全くと言っていいほど見つかりません。
だから本当に個人がクラファンを実施できるのかって、疑問だと思います。
そこで当記事を書く私が、自社ECサイトで扱う新商品を開発して、クラファンを実施しました。(これまでの経緯は、コチラ)では早速、クラウドファンディングの結果報告をしていきます。
クラファンの結果報告
支援金212,000円達成
プロジェクト名:「革のダイヤモンド」クロコダイル革で作るお札が折れない三つ折り財布 開催期間:2022/5/27-7/17 支援額:212,000円 支援者数;8名
クロコダイル革三つ折り財布をリターン品として、約2か月間のプロジェクトを実施しました。支援総額は212,000円に達し、目標額の100,000万円を大きく上回ることができました。過去2回のプロジェクトでは、目標額を達成できなかったので、非常に達成感のあるプロジェクトになりました。
個人で実施して良かった点
これまでの全プロジェクトを個人(自分)で実施してきましたが、改めて「個人で実施して良かった点」について振り返っていきたいと思います。
- 初期投資リスクを低減できる
- コストをかけずに集客できる
- 潜在顧客獲得につながった
- 経験スキルが向上する
では、具体的に一つずつお伝えしていきます。
初期投資リスクを低減できる
通常、事業を始める際、事業への投資が必要になってきます。しかし、事業を開始する時点で、事業が成功するかどうかなんて誰もわかりません。つまり、投資分を回収できるかもわかりません。すごい不安ですよね。
銀行から借りる場合は、返済義務が生じます。元本分を返済するのでなく、通常は利子も付けて返さなくてはなりません。もっと不安ですよね。
しかし、購入型クラウドファンディングの場合、初期投資のリスクがゼロです。というのも、プロジェクトが成立しなければ、事業を実施する必要がないからです。 具体例を使ってご説明します。
起案者Aは、アメリカ発のガジェット製品で、まだ日本に上陸していない商品の販売を構想中。しかし、プロジェクトを実施する為には、商品の購入、物流コスト、さらに事業継続に必要な費用などを計算した結果、総額50万円の資金が必要であることが分かりました。 そこで起案者Aは「All or Nothing 型」で目標額を50万円に設定し、プロジェクトを実施。
成立した場合
目標額50万円に達成した場合、事業を実施する義務が生じます。しかし、事前に必要な費用を計算し、その分を目標額に設定しているので、投資リスクがないまま事業を開始することができます。
不成立の場合
残念ながら、支援額が25万円にとどまり、目標額50万円に達しなかった場合、事業を実施する義務は生じません。一定の方から支援頂いた25万円は、そっくりそのまま支援者に返金される仕組みです。つまり、プロジェクトが成功しなかったとしても、初期投資のかからない仕組みになっています。
初期投資のリスクヘッジができることで、不安も軽減できますから、思いっきり事業に注力していくことができるのです。
コストをかけずに集客できる
クラウドファンディングのプロジェクトは、コストをかけずに集客できます。というのも、クラファンのプラットフォーム自体にファンがついているので、簡単にかれらにアプローチできるからです。
一般的にクラファンのファンは、まだ市場に出回っていない商品や、技術などに大きな興味を持っています。そして、これらの情報を提供するのが、クラファンのプラットフォーム企業です。ですから、クラファンプラットフォームを利用することで、広告にコストをかけずに潜在顧客にアプローチできるわけです。
気を付けること
その際に気を付けなければならないのは、クラファンのファンたちは、新しい物好きであるということです。ですから、既に市場へ出回っている商品では、集客は難しいということだけ念頭に入れておいてください。
初心者ならKibidango
個人的な経験として、一番オススメできるプラットフォーム。手数料が10%と最安値、かつプロジェクトのサポートが手厚いです。プロジェクトの潜在性によっては、無料で広告配信してくれることもあります。
Kibidangoのファン(22年7月時点:Twitterフォロワー約2万2千人)は、他の大手(CAMPFIREなど)と比較すると、そこまで多くありませんが、その分開催されているプロジェクト件数も少ない為、他のプロジェクトに埋もれてしまうことはありません。初心者であれば、Kibidango一択だと思います。
各プラットフォームの違いについては、コチラからどうぞ。
潜在顧客獲得につながった
クラファンからプロジェクトを実施すると、自社サイトの顧客層とは違った顧客層にアプローチすることができます。
例えば、自社サイトのメイン顧客層が、30-50代の男性だったとします。その場合、集客する時もメインの顧客層を狙って、広告を配信すると思います。ですから、なかなか潜在顧客へのアプローチする機会ってそんなにありません。
一方、クラファンで商品をリターン品として、プロジェクトを実施すると、自社サイトの顧客層だけでなく、(無料で)幅広い年齢層にアプローチできるわけです。したがって、今まで自分では気づかなかった潜在顧客層の発見をすることができます。その結果、今後の販路拡大に繋げることができます。
女性の支援者が50%
私の今回のプロジェクトでは、支援者の半分が女性でした。自社サイトでの購入者の大半は、男性だったのですが、クラファンを通して潜在的な顧客層(女性)を発見することが出来ました。今後、女性に向けたウェブサイト設計も盛り込んで行こうとなるわけです。
経験スキルが向上する
クラウドファンディングを実施することで、スモールビジネスを立ち上げる為に必要な、以下のスキルを学ぶことができます。しかも、無料です。
- 企画力
- 集客方法
⇒プロジェクト(LP)ページの構成
⇒ライティングスキル
⇒SNSマーケティングなど - プロジェクトマネジメント
企画力
そもそも支援をしてもらうためには、支援者の方に役立つモノやサービスを提供しなければなりません。何故なら、支援者の方は現状の何かしらに課題や不満があり、それを解決するものに支援したいと考えるからです。
それが何かを考えるのが「企画力」です。
クラウドファンディングの担当者は、たくさんのプロジェクトをこなしてきている為、圧倒的な企画力を持っています。ですから、モノやサービスをどのような支援者に、どのような方法でアプローチしていけばいいのかを彼らから学ぶことができます。
例えば、若い女性向けのモノをリターン品とする場合、広告はInstagramを使って実施したほうが良いなど、多くの引出しを持っています。この知識・経験を得ることで、企画力アップを実現することができるのです。
集客方法
支援者に魅力あるモノやサービスと思ってもらうための「集客方法」を教えてくれたりします。
例えば、ファーストビューの作成。ファーストビューとは、Webページにアクセスした際に、スクロールせずに見えるブラウザの画面範囲のことを言い、ユーザーはファーストビューの段階で、プロジェクトに対する大半のイメージが決まると言われています。
その重要な部分を、担当者の方がどのように作成したらよいかアドバイスをしてくれたりします。その他にも、プロジェクトページの文章構成であったり、SNSでの集客方法を教えてくれたりするので、非常に参考になります。
今後、オンラインショップのページの作成やブランドのSNS育成に力を入れていきたい方には、特にオススメです。
プロジェクトマネジメント
ビジネスにおいて重宝されるスキルのひとつです。というのも、プロジェクトを円滑に計画通りマネジメントすることで、支援者に喜んでもらえるからです。プロジェクトとは、あらかじめ完了すべき期限と目標が定められており、それに付随する業務が存在します。
具体的な例として、サプライヤーからの商品納入管理、プロジェクトの進行管理 (ブログの更新、キャンペーン実施、SNSの更新など) 、お客様とのコミュニケーション、リターン品のお届けなどが必要になってきます。
これらをしっかりこなすことで、支援者からの満足度が上がり、初めてプロジェクト成功と言えるのです。クラウドファンディングのプロジェクトを遂行することで、「プロジェクトマネジメント」スキル向上に繋がります。
経験談
私の場合、初めてのクラウドファンディングは、Kibidango様と行いました。
その時は、初めにテレビ会議を設定し、一時間ほどの打ち合わせから始まり、プロジェクトページ (LP) の添削、SNSを使った集客方法、プロジェクトの開始時期など細かく教えてもらうことができました。有料級の学習レッスンでした。
市場に出回っている「クラウドファンディングの始め方」と題した情報商材などがありますが、明確な目標や目的があれば、直接クラウドファンディングを実践したほうが、学習できるし、実践できるしで一石二鳥です。
成否にかかわらずプロジェクトを終えた時には、さまざまな分野で成長できていること間違いなしです。
個人で実施して大変だった点
一方個人で実施すると、どうしても限界があるという点について、ご紹介していきます。
- どうしても規模が小さい
- 事前集客の時間が不足
- 写真の技術力が不十分
どうしても規模が小さい
個人(自分だけ)でやると、どうしてもプロジェクトの規模が小さくなります。当たり前ですが、一人だけのアウトプットには限界があるからです。
別に規模が小さいというのは、悪いことだとは思いません。何故なら、全部自分でやれば、コストがほとんどかからないからです。コストがかからなければ、リスクも少なくなります。
一方で、プロジェクトで期待できる支援額もそこまで大きなものにはなりません。
個人的には、クラファンのプロジェクトも事業と同じく、初めは小さい規模から始め、だんだんと規模を大きくしていけばいいと思います。
事前集客の時間が不足
プロジェクト開始前の事前集客に、時間を費やせなかったことです。
基本的にプロジェクトの開始日を設定してから、逆算して、写真撮影、動画撮影、LP制作といった各タスクをこなしていきます。しかし全部ひとりで実施すると、どうしても予定以上に時間がかかってしまいました。
事前集客が成功のカギを握る
しかしクラファンの担当者によれば、事前の集客がプロジェクトが成功するか、しないかを大きく左右すると言います。
なぜなら、プロジェクト開始後の初速が支援者を増やす大きなポイントだからです。開始後に多くの支援者がいると、支援しようか迷っている人も、支援しやすくなるという心理現象を生むのです。
結果、多くの支援者を集めることができるわけです。
十分な集客時間確保が必要
今回、この事前集客に十分な時間を費やすことができず、プロジェクト開始後の支援が伸びませんでした。次回は、十分に事前集客の時間を確保しながら計画を立てていきたいと思います。
写真の技術力が不十分
人それぞれ得意不得意があるかと思いますが、私の場合は写真撮影でした。こればかりは、自分自身でやる限界があると感じています。
たしかに、初めて実施したプロジェクトの時よりは上達したと思いますが、他の方が実施しているプロジェクトと比較すると、やはり写真の品質が劣っているのが明白です。
しかし写真というのは、支援者が支援するかどうか判断する、とても大事な要素です。ですから、品質の悪い写真では、なかなか支援を伸ばすことができないと実感しました。
次に繋げる為に改善したいこと
最後に、今回のプロジェクトを通じて「大変だった点」を踏まえて、次回のプロジェクトではどう改善していくかを考えていきたいと思います。
- 開始前の集客に時間をかける
- ファンと一緒に作り上げる(ストーリー性)
- 外注してより本格的にする
開始前の集客に時間をかける
今回この事前集客に十分な時間を費やすことができず、プロジェクト開始後の支援が、思っていたほど伸びませんでした。ですから次回は、十分に事前集客の時間を確保しながら、計画を立てていきたいと考えています。
それに加えて、事前集客では、自社サイトで集客ページを作成したり、有料の広告を活用していきたいと考えています。次回のプロジェクトでは、50-100万円の支援額を目指していきたいと思います。
ファンと一緒に作り上げる(ストーリー性)
これまでのプロジェクトを通じて、自分だけで実施するのには限界があることがわかりました。そこで今考えているのが、SNSのフォロワーと一緒に作り上げるプロジェクトです。
例えば新商品を開発を、SNSフォロワーの方からアンケートを集計しながら、進めていきたいと考えています。そうすることで、フォロワーの方も、自然とプロジェクトへ参加している意識が強くなり、プロジェクトへの支援にも繋がるのではないかと考えています。
外注してより本格的にする
先述したように私の場合、写真撮影の技術には限界があると実感しました。そこで次回のプロジェクトでは、写真撮影は、ココナラで外注していくことを検討していきます。
調べてみると、写真撮影だけであれば5千円程度でできるようです。
最後に
いかがでしたでしょうか?これが個人がクラファンを実施したリアルな声でした。これを見て、皆さんは自分でもできると思ったでしょうか?
もし自分でもできると思った方は、ぜひ挑戦してみてください。自分の力で実施するクラファンには、デメリットが一切ありません。失敗したとしても、コストはかかりませんし。
一方自分だけでは自信がないと思った方は、誰かの力を借りて実践してみてください。たしかに全部自分でやるのは、とても大変ですし、限界があります。私は自ら実感しましたので分かります。
その場合は、自分で出来ない部分だけを外注する方法で実践してみましょう。外注するなら、コストを抑えられるココナラが便利です。
これまで説明してきたように、クラウドファンディングは、あなたの事業に多くのメリットをもたらします。ぜひ挑戦してみてください。