タイではペットフード輸出が年間4%も増加しており、遂にペットフード輸出額が2019年に約16.93億ドルに達し、アメリカ、EU(欧州連合)、中国に次ぐ世界第4位のペットフード輸出国に躍り出ました。

というのも、タイはASEAN諸国や中国、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、ペルー、香港などと自由貿易協定(FTA)を結び、これらの国々がタイからのペットフード製品に対して輸入関税を撤廃したことが影響しています。

これらのFTA協定国は2019年のタイのペットフード輸出総額のうち、約9.54億ドルも占めています。

日本、韓国、およびインドを除くすべての国は、タイからの一部の種類のペットフードに関税を課していますが、コロナ禍において、先述した国々と新たにFTAを締結したことで、より多くのペットフード輸出を実現することとなりました。

貿易交渉局長のAuramon Supthaweethum氏は、2020年第1四半期におけるタイのペットフード輸出が活発であり、前年比10%増の4億6,600万ドルに達したと述べました。そのうち犬猫用のフードは、総額の81%を占めています。

The Nation/Asia News Networkの報告によれば、「インド、アメリカ、ASEAN諸国、オーストラリアへのペットフード輸出額はそれぞれ1,900万USDドル、1億400万USDドル、1億1,100万USDドル、2,250万USDドルであり、これはそれぞれ52%、19%、13%、9%の増加を示しています」とSupthaweethum氏は述べています。

FTAはタイの貿易にとって追い風となっており、実際に2020年にはニュージーランドへのペットフード輸出も増加しました。2019年末に行われた二国間協議の結果、ニュージーランドの農林水産省から、牛肉を含むタイ産ペットフードをニュージーランドへ持ち込む承認を得ることに成功しました。これにより、タイのペットフード輸出はニュージーランドとのFTA協定が始まってから531%の増加を示しています。

そして、Thai Union Groupなどの企業は、Supthaweethum氏の呼びかけに応えるように、FTAによって可能になった輸入関税撤廃の状況をさらに利用するよう地元のペットフード製造会社や輸出業者にも呼びかけています。

主に海産物を扱う食品会社であるThai Union Groupは最近、海産加工の副産物に付加価値を付けるためにペットフード部門への増資を発表しました。2019年には、冷凍海産物およびペットフード事業の好調な業績が、グループが1四半期の純利益を年間で46.5%増加させ、総額3,991万USDドルを達成するのにも繋がっているようです。