ペットフードの選択は、愛するペットの健康と幸福に直結する重要な要素です。ですからオリジナルペットフードを作る側は、OEM製造する前に理解すべき4つの必須栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂肪、さらに継続して食べてもらう為にペットフードの嗜好性を向上させる必要があります

それだけでなく、健康的な食習慣を促し、必要な栄養素を摂取できるオリジナルペットフードを作る為には高品質な原材料を使用し、これらの情報をパッケージに明記することが重要です。本記事では、ペットフードのOEM製造からパッケージングに至るまでの重要な要素を解説していきます。

ペットフードの成分の種類

ペットフードの成分の種類

成分の種類は、「主要成分」と「副次成分」の2つのカテゴリーに分かれます。主要成分は通常、原材料リストの上位に記載されるもので、タンパク質、炭水化物、および他の重要な栄養素を提供する動物性または植物性の原材料です。副次成分は、その後に続くもので、ミネラル、ビタミン、および他の栄養素を示します。

主要成分が副次成分よりも重要というわけではありませんが、ペットフードメーカー様は、副次成分より主要成分に何を使用するかの方が、より明確に決まっていることが多い傾向にあります。

たとえば、馬肉のような新奇タンパク質を主要成分の差別化ポイントとして検討しているメーカー様は多数存在するかもしれませんが、その馬肉と組み合わせる必要のある副次成分についてはそこまで明確になっていないのではないでしょうか?しかし、バランスの取れたペットフードを作るためには、これらの副次成分に関する知識も必要となってきます。

というのも、副次成分は必須ビタミンやミネラルの割合が間違ってしまうと、ペットにとって有害になる可能性があるため、正確に調合することが重要です。そのため、信頼のおけるペットフードOEMメーカーと協力することが大切です。

メーカーが理解すべき4つの必須栄養素

メーカーが理解すべき4つの必須栄養素

ペットフードのレシピは、犬や猫のライフステージに合わせて栄養素を検討する必要があります。そのためには、次の4つの必須項目が非常に重要な要素となってきます。

生命体に不可欠な「タンパク質」

タンパク質は、ありとあらゆる生命体に不可欠な要素であり、正常な身体機能を維持し、成長を促進するための栄養素として作用します。ペットフードには、さまざまなタンパク質源が含まれています。以下に、その代表例を挙げます。

  • 肉粉末(ミートミール):
    肉や皮をレンダリングして乾燥肉、粉にした状態の肉。※血液、毛、蹄、角、皮、糞尿、胃および第一胃の内容物を含まない。
  • 肉副産物:
    肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、骨、および部分的に脱脂された低温脂肪組織、および内容物を含まない胃や腸など。※毛、角、歯、蹄は含まれない。
  • 植物性タンパク質:
    大豆やトウモロコシを原料として、それに含まれるタンパク質を独自の製法により抽出したものなど。

動物性タンパク質がペットフードにおける最も一般的なタンパク質です。一般的な肉類は、鶏肉、七面鳥肉、牛肉が挙げられます。新奇タンパク質としては、カンガルー肉、ウサギ肉、馬肉、鹿肉などがあります。

エネルギーの源「炭水化物」

炭水化物は、動物にエネルギーと食物繊維を提供してくれます。一般的な炭水化物には、米やジャガイモが含まれます。しかし、スイートポテト、ミレット、キヌアなどの新奇炭水化物を含めることもできます。

嗜好性や健康に必要な「脂肪」

脂肪は、ペットにとって大切なエネルギー源の一つです。体内で自然に生成できない必須脂肪酸オメガ3およびオメガ6脂肪酸をもたらし、さらにペットフードに嗜好性を与えてくれます。また、健康的な被毛、消化、体温の安定にも寄与します。例として、以下のようなものがあります。

  • 鶏肉、牛肉、豚肉などからの動物脂肪
  • ココナッツオイル
  • 魚油
  • グリセリン
  • キャノーラや亜麻仁といった植物油

独自性を産む「添加物」

添加物とは、ミネラルやビタミンをもたらしてくれる微量成分です。数千種類の機能性添加物が存在し、一般的なニンジンから緑イ貝などと幅広くあります。他の例としては、以下のようなものがあります。

  • ブルーベリーやクランベリー
  • ケール
  • 乾燥ココナッツオイル

これらのタンパク質、炭水化物、脂肪、および添加物の組み合わせにより、適切な必須栄養素(アミノ酸、脂肪酸、ビタミン、およびミネラル)を持ち合わせたペットフードが完成します。これらの栄養素を供給する成分は、基本的なものから新奇物なものまで、幅広い選択肢があります。これらの成分の選択によって、ペットフードのレシピに大きな影響を与えます。

嗜好性の重要性と改善方法

嗜好性の重要性と改善方法

ペットや飼い主様の満足度を高めるためには、ペットフードの嗜好性にも注意を払う必要があります。栄養価の高いペットフードを製造すれば、必ず多くの人やペットに喜んでもらえると思えますが、必ずしもそうとは限りません。

仮に栄養価の高いペットフードを飼い主様が購入してくれても、飼い主様のペットが(嗜好性が低く)食べるのを拒否したり、継続して食べてくれなければ、彼らがそのペットフードを続けて購入することはないでしょう。言い換えれば、嗜好性はペットが食事を楽しむための重要な役割を果たし、健康的な食習慣を促し、必要な栄養素を摂取する手助けをしてくれます。

このように、ペットフードは栄養価が高いだけでなく、嗜好性のあるレシピを設計する必要があります。では、どのように嗜好性を高めていけばいいのでしょうか?高い嗜好性を持つペットフードのレシピには、さまざまな成分や原材料が使用されています。以下では嗜好性を改善するいくつかの方法をご紹介します。

加水分解タンパク質

加水分解タンパク質は、ペット業界で最も一般的に使用される嗜好性を上げる促進剤の一つです。

AAFCOによれば、加水分解タンパク質とは、動物性タンパク質を酵素によって加水分解することによって生じる原材料と定義しています。動物性タンパク質は、毛、角、歯、蹄、羽根を含むことはありません。

豚や牛では、健康体の肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、胃、腸などの部位が使用されます。家禽では、肝臓、心臓、頭、足、内臓などが使用されます。

加水分解タンパク質はペットフードに生肉のような香りを提供し、ペットにとって魅力的なものとしてくれます。また、還元糖との反応で生じる脂肪酸やアミノ酸が、メイラード反応を通じて、香ばしい肉のようなフレーバーを持つペットフードを作り上げます。

パラタント(香料・調味料)

パラタントは、ペットフードに添加される物質で、ペットフードをより魅力的にするための味と香りを向上させ、ペットが楽しみながら食べることを促進します。

これは、犬、猫、およびその他のペットの感覚を刺激するように注意深く配合され、ペットの食欲を促進してくれます。パラタントは、肉、鳥、魚、および植物性の原料など、ペットが本能から欲する味を模倣するために、通常は天然の原料から抽出されます。

パラタントは、単にペットフードをおいしくするだけでなく、ペットが食事を楽しんで、必要な栄養素を摂取することを促します。これらの欠如は、ペットがわがままな食習慣、食物嫌悪、および栄養欠乏につながる可能性があります。

これらの香料・調味料を使用しペットフードの嗜好性を向上させることで、ペットフードメーカーは販売率を向上させ、一貫した消費を促進し、ペットの全体的な健康と幸福を支援することができます。

パラタントの種類

  • 肉ベース
    ビーフやラムなどの高品質な原材料から抽出される肉ベースの香料・調味料は、ペットが好むうま味を提供します。これらは、たんぱく質とアミノ酸が豊富であり、ペットフードの全体的な栄養供給に貢献してくれます。
  • チキンベース
    鶏肉やターキーなどの鳥肉ベースの香料・調味料は、その美味しさと栄養価の高さから、ペットフードメーカーにとって人気のある選択肢です。これらは、犬や猫にとって馴染みのある味を提供してくれます。
  • 魚ベース
    サーモン、マグロ、白身魚などから抽出される魚ベースの香料・調味料は、多くのペットに訴求することができます。オメガ3脂肪酸とたんぱく質が豊富であり、これらは食欲増進と栄養面での利点があります。
  • 植物ベース
    ほとんどの香料・調味料は動物由来ですが、植物性由来のものもあります。穀物、野菜、果物などの原料を使用して、菜食主義者やビーガンのペットにアピールする香料・調味料を作ることができます。

プラズマ(血漿)

プラズマのタンパク質組成は、ウェットフードの独特の食感を作り出すための特性を持っています。適切な食感を実現することは、ペットフードの嗜好性を高める重要なポイントです。

プラズマのタンパク質(アルブミン、グロブリン、フィブリノゲンなど)は、ウェットフード製造時に安定かつ密集した構造を可能にするため、ペットの嗜好性を高める食感を実現することができます。増粘材として利用されることが多いカラギーナンなどの添加物とは異なり、プラズマは食感を改善するだけでなく、ウェットフードに貴重な栄養素をもたらしてくれます。

また、小麦グルテンなどの成分と比較して、水分保持能力が優れていることが証明されており、食感を高めてくれるのでプレミアムペットフードの理想的な添加物として注目を集めています。その結果、猫と犬の嗜好性をぐんと高めてくれるのです。

アミノ酸(リジン/メチオニン)

アミノ酸リジンは、チロシン、アルギニン、トリプトファンなどの他のアミノ酸と共に、人間の食品だけでなく、ペットフードでも嗜好性の増強剤として広く探求されています。

ある米国の特許(第4,267,195号)によれば、0.1から500mMの割合でドライドッグフードの表面にL-リジンをコーティングすることで、ペットフードの風味を高める可能性があり、同時にタンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど、犬の栄養要件を満たすことができます。

別の米国特許(第4,282,254号)では、L-フェニルアラニン、L-チロシン、L-メチオニン、L-トリプトファン、L-アルギニン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-セリンなど、それらのアミノ酸の組み合わせを0.001%から0.8%の割合で使用することで風味を高める可能性を明らかにしました。

また、L-メチオニンをペットの食品の重量に基づいて0.005%から0.5%の割合で使用することで、ドライおよび半生のペットフードの風味を向上させるとあります。

メイラード反応生成物

メイラード反応生成物は、ペットフードの風味付けに重要な役割を果たしています。メイラード反応の初期段階では、高温の影響または低温、低pH、低水分活性(aw)レベルによって、還元糖(カルボニル基)とアミノ化合物(アミノ酸)の縮合が起こります。

縮合生成物はさらに分解され、他の反応性化合物(アミン、アンモニア、硫化水素、アルデヒドなど)と相互作用して、酸素化化合物が生成されます。その結果、フラン、ピラジン、エステル、チオペンなどの風味化合物を生み出します。

ペットフードの製造過程で、高温加熱処理が行われることで、メイラード反応が発生し、ペットフードの嗜好性が改善されるとされています。

脂質(脂肪、脂肪酸)

脂質は、体内で自然に生成できない必須脂肪酸オメガ3およびオメガ6脂肪酸をもたらし、さらにペットフードに嗜好性を与えてくれます。たとえば、鶏肉、牛肉、羊肉などの原料に含まれる脂肪エキスには、ペットが望む特徴的な香りがあります。

ただし、このような脂質の使用は、ペットフード内の高い脂肪レベル(例:10%以上)により、ペットフードの酸化を高める可能性があるため、栄養価維持と長期保存の観点からペットフードに化学抗酸化剤が添加される場合があるので、注意が必要です。

高品質な原材料を使用する

高品質な原材料を使用する

高品質な原材料を使用してペットフードを作る為には、信頼できるペットフードOEM製造メーカーと提携することが必要です。というのも、一から自分で原材料を選定し、かつ適切な価格で原材料を確保し、ペットフードを製造することは至難の業だからです。

信頼できるOEM製造メーカーは、普段からスタンダードな原材料からプレミアムな原材料まで、ほとんどすべての種類の原材料を信頼性とコスト効率の良い方法で調達する術を得ています。

当社では、お客様のご要望にあわせて適切なタイのOEM製造メーカーをご紹介しておりますが、タイでは高品質な原材料を確保できるいくつかの理由があります。

ペットフード輸出大国としての実績

TPFA(タイペットフード貿易協会)によれば、2021年にはタイの輸出額が前年比27%増の650億バーツ以上となり、世界第3位のペットフード輸出国となりました。

タイ産ペットフードの輸出先である上位5か国は、アメリカ、日本、イタリア、マレーシア、およびオーストラリアであり、インド、インドネシア、ラオスなどのアジア諸国でもタイ産ペットフードの需要が増えてきています。

タイ産ペットフード輸出の着実な成長は、2022年7月時点で既に43%増加(前年比)しており、さらなる加速が見られています。

TPFAの会長であるチャニント・チャリサラポン博士によれば、人間用ツナ缶製造における長年の経験(世界で生産されるツナ缶の約2割がタイ産)も、ウェットペットフード製造の拡大に寄与すると述べられており、タイでのウェットフードの生産も活発になってきています。

このように世界トップクラスのペットフード産業であることから、各国におけるメーカーの要望にあわせて原材料を仕入れている為、標準品から高品質な原材料といった幅広い種類の原材料を確保しています。

高品質な原材料の入手のしやすさ

タイのペットフードで使用される原材料(新鮮で高品質な肉、穀物、魚介類)の95%は地元で調達され、これが同国の生産と世界貿易での成功をさらに促進しています。

というのも、タイは多様な気候と土地を有しており、穀物、野菜、果物といった様々な農産物が生産されています。

さらに、タイでは畜産業も盛んであり、新鮮で高品質な肉(ヒューマングレード)が入手できるだけでなく、タイが海に面していることから豊富な魚介類の資源(ヒューマングレード)もペットフードに利用されています。

パッケージへの記載方法

パッケージへの記載方法

日本では、ペットフードの表示基準は主に2つあります。一つは「ペットフード安全法」による基準であり、もう一つは「ペットフード公正取引協議会」が定める「ペットフードの表示に関する公正競争規約」です。

ペットフード安全法は5項目の基準を規定していますが、公正競争規約ではこれに加えて4項目が追加され、合計9項目が日本におけるペットフードの表示に関する必要事項となっています。

商品の名称

商品名を言いますが、犬用又は猫用であることがわかるように記載します。

商品名から犬用か猫用かわかりにくい場合、商品名のほかに「犬用又は猫用」であることを併記するか、一括表示欄などに、例えば「成犬用総合栄養食」のように犬用か猫用かわかるような記載をする必要があります。

賞味期限

「賞味期限」と記載して、年月日又は年月により表示。
(例:2025 08)※科学的、合理的根拠に基づき設定する必要があります。

原材料名

「原材料名」又は「原材料」と記載して、原則として、使用した原材料(添加物を含む)をすべて記載。添加物として甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤が使われている場合は、添加物名と用途名の両方の記載が必要です。

ペットフード安全法では、原材料名の記載順序は特に規定していませんが、消費者に対する適切な情報提供の観点からは、原則、使用量の多い順に記載することが望ましいでしょう。

原産国名

「原産国名」又は「原産国」と記載して、実質的な変更をもたらす最終加工工程を完了した国を記載します。原産国が日本の場合は、単に「国産」と表示することも可能です。

事業者の氏名又は名称及び住所

事業者の種別(製造業者、輸入業者、販売業者、製造者、輸入者、販売者のいずれかに限る)を記載して、氏名又は名称、住所を記載。

保証分析値

粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分の重量比をパーセントで記載し、特定の栄養要件を満たすことを明確にします。

栄養の適合性

ペットフードが特定のライフステージ(妊娠/授乳、幼児向け、または全てのライフステージ)にあわせて完全かつバランスが取れていること、または食品が補足的な役割として使用されるべき旨を記載します。

純重量表記

バッグの内容量を重量および容積で記載します。

カロリー表記および給餌指示

キロカロリー毎キログラムの基準でカロリー表記を含め、犬の体重と1日に消費すべき推奨カロリーに基づいた適切な給餌指示を含めます。

お問い合わせや相談について

お問い合わせや相談について

当社のOEMサポートでは、原材料の選定、レシピ、パッケージング、輸送に関するトータルサポートをさせて頂いております。御社のペットフードに適切なOEM製造メーカーを見つけることは、ペットフード販売で成功するかどうかの大きなポイントとなります。

当社のOEMサポートに関するお問い合わせや相談は、どんなことでも構いませんのでご気軽にご連絡くださいませ。

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ご準備頂きたい事

お問い合わせいただいた後、ご興味やニーズに合わせて詳細な相談を行います。この際、以下の点についてお伺いいたします。

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