近年、日本国内におけるペットフード市場は安定した成長を続けており、特に「高品質」「安心・安全」「ナチュラル志向」などを求める飼い主のニーズが高まっています。中でもドッグフード市場は、シニア犬向けやアレルゲン対応、プレミアムラインなどの細分化が進み、製品開発において差別化が一層重要になってきています。
しかし一方で、日本国内でのペットフード製造にはいくつかの課題も存在します。例えば、使用できる原材料の種類に制限があることや、製造キャパシティの逼迫、コスト高などが挙げられます。これにより、国内での製造では実現が難しいレシピや新たな付加価値製品の開発において、海外OEM製造の活用が注目されるようになってきました。
中でも、オーストラリアはペットフードOEM製造先として有力な選択肢の一つです。自然豊かな環境と高い食品安全基準、そして独自の原材料供給力を兼ね備えたこの国は、品質にこだわる日本ブランドにとって大きな可能性を秘めています。
何故オーストラリアなのか?
動物性タンパク質の豊富さ
オーストラリアは広大な自然と豊かな畜産資源を有しており、ペットフード用の原材料として非常に魅力的な国です。中でも、ラム肉はオーストラリアを代表する畜産物であり、低アレルゲンかつ消化しやすいタンパク源として注目されています。
また、カンガルー肉は野生由来で脂質が少なく、高タンパク・低脂肪という特徴を持つ希少たんぱく源として、アレルギー対応製品や差別化商品の開発に適しています。
さらに、オーストラリアではダチョウやエミューといったユニークな野生動物もペットフード原材料として利用されており、特にアレルゲンの少ない代替タンパク源として評価が高まっています。これらの肉は赤身で高タンパク・低脂肪であることに加え、他の一般的なたんぱく源にアレルギーを持つ犬にとって有用な選択肢となり得ます。
また、タスマニアサーモンなどの海産物も豊富で、オメガ3脂肪酸を多く含む魚介類を使用した処方設計が可能です。
これらの多様な動物性たんぱく源を生産地に近い環境で新鮮なうちに加工できることも、製品の品質を確保するうえでの大きな強みです。オーストラリアならではの原材料の幅広さは、日本ブランドにとって他社との差別化を図る上で非常に魅力的な要素となります。
クリーンで厳格な農業・畜産管理体制
オーストラリアの農業・畜産業は、世界的にも厳格な基準と管理体制で知られています。ホルモン剤や抗生物質の使用規制、動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点からの飼育管理、そして生産履歴のトレーサビリティ体制などが徹底されており、日本市場における「安心・安全」志向と高い親和性を持っています。
また、BSE(牛海綿状脳症)や口蹄疫などの重大な動物疾病が発生していないことも、国際的な信頼性を高めている要素の一つです。
ペットフード製造における高い基準
オーストラリアのペットフード製造工場の多くは、GMP(適正製造規範)やHACCP(危害要因分析重要管理点)などの国際基準に基づいた管理体制を整えています。これにより、微生物管理や異物混入防止、衛生管理などが徹底され、日本の輸入基準にも適合しやすい環境が整っています。
さらに、一部の工場ではオーガニック認証やヒューマングレード認証など、より高い付加価値をもつ製品の製造も可能であり、日本ブランドの差別化に直結するポイントとなります。
オーストラリアOEM製造の主なメリット
高品質な原材料の調達
オーストラリアは、ラム・カンガルー・サーモン・ダチョウ・エミューなどの豊富な動物性たんぱく源を持つだけでなく、これらの畜産物・水産物に対して厳格な品質管理体制を敷いています。
抗生物質やホルモン剤の使用を厳しく制限しており、遺伝子組み換え飼料の使用も制限されているため、原材料の安全性は極めて高い水準です。こうした環境で育てられた動物由来の原料は、日本市場における「安心・安全志向」に非常にマッチしています。
また、オーストラリア国内で加工・冷凍・乾燥されるプロセスも徹底されており、鮮度や栄養価を保ったまま製品化することが可能です。これにより、単なる製造地としてではなく、最高品質のドッグフードを製造することが出来ます。
高付加価値型の製品に強い
グレインフリー(穀物不使用)やナチュラル志向、ホールフード(全体食)配合、オーガニック原料使用といった付加価値型ドッグフードの開発において、オーストラリアは非常に強みを持っています。
多くのOEM工場が、トレンドに即したレシピ設計が可能であり、自然派志向の強い日本の飼い主層にもアピールできる製品開発がしやすくなっています。たとえば、ケルプ、チアシード、ユッカ、ターメリックなどの自然由来成分を配合した機能性フードや、ホールプレイ系の生肉をそのまま使用するフリーズドライ製品の生産も可能です。
また、アレルゲンとなりにくいタンパク源を活用したアレルギー対応レシピの開発にも柔軟に対応しており、開発の自由度が高いことも日本メーカーにとっての利点です。
持続可能性・トレサビの訴求が可能
環境・動物福祉・食品安全の3つの視点から、サステナビリティに関する消費者の意識は世界的に高まっており、日本市場でもサステナブルな商品選びが進んでいます。
オーストラリアのOEM製造では、原材料のトレーサビリティがしっかり確保されており、「どの牧場で育った動物か」「どの漁場で獲れた魚か」まで遡って確認できる体制を整えている工場が多数あります。これにより、消費者に対して透明性をもって製品価値を伝えることが可能となり、ブランド信頼性の向上につながります。
さらに、工場によっては環境負荷の低い製造工程を採用している例もあり、脱炭素化や資源循環といったESG的観点からのブランディングも可能です。
安定供給と輸出インフラの整備
オーストラリアは世界的な一次産品輸出国であり、輸出向けのロジスティクス(港湾設備・保冷輸送・通関体制)や品質管理の制度が高度に整備されています。とくに日本を含むアジア地域はオーストラリアにとって主要な輸出先であり、ペットフードにおいても数多くの製品が安定的に供給されています。
また、農務省(DAFF)やオーストラリア検疫当局の管理下で輸出認可を得た製造工場で製造された製品は、対日輸出のスムーズな通関が可能であり、納期管理の点でも安心感があります。
自然災害や政治的リスクの少ない地理的特性も、製品の安定供給という観点から日本企業にとって大きな魅力となっています。
日本ブランドにとっての競争優位性
“オーストラリア製”という付加価値
オーストラリア製のペットフードは、世界的に「ナチュラルで安心・安全」というイメージを確立しており、日本市場においてもその信頼性は高く評価されています。広大な自然環境と厳格な食品・畜産管理体制のもとで生産された「Made in Australia」製品は、品質志向の強い日本の消費者にとって差別化要素となります。
特に近年では、原材料の原産国表示に注目が集まっており、オーストラリア製であることを前面に出すだけでも、ブランド価値や商品単価の向上につながるケースが増えています。日本国内製造品との差別化が難しい中で、「製造地そのものが訴求ポイントになる」ことは、非常に大きな競争優位性です。
競合にない独自の食材と処方設計
オーストラリアOEMを活用することで、日本国内では調達・製造が難しい希少たんぱく質(カンガルー、ダチョウ、エミューなど)を使用した商品を企画・販売することが可能です。これらはアレルギー対応食や食物選択肢の広い製品として、消費者の関心を集めやすく、競合他社との差別化に直結します。
また、人工添加物不使用(合成保存料・着色料・香料不使用)やナチュラル素材のみを使用といったレシピ設計も、オーストラリアの工場では高い技術力と経験を持って対応しています。これにより、健康志向や自然志向の強いターゲット層に訴求する高付加価値製品の開発が可能です。
商品開発の自由度と柔軟な対応力
多くのオーストラリアOEM工場は、多品種の製造にも対応しており、日本ブランド独自の仕様に柔軟に対応してくれます。たとえば、以下のような商品設計に対しても、細かい調整や試作が可能です。
- グレインフリーや単一動物タンパク質レシピ
- スーパーフードやハーブを加えた機能性レシピ
- フリーズドライやエアドライ製法など新製法
- 消化・皮膚・免疫・心の健康に配慮したホリスティックな製品設計
さらに、輸出対応のための各種証明書発行や、日本語パッケージ対応など輸出実績豊富なOEM先が多いため、日本ブランドが求める品質基準・商習慣に合わせたパートナーシップが築きやすい点も、大きな強みです。
お問い合わせや相談について

弊社では、お客様のご要望にあわせて複数のOEM製造メーカー様から適切なパートナー様をご紹介いたします。当社のOEMサポートに関するお問い合わせや相談は、どんなことでも構いませんのでご気軽にご連絡くださいませ。
主な取り扱い品目
- ドライドッグフード
- フリーズドライ生肉ドッグフード
- ドライキャットフード
- フリーズドライ生肉キャットフード
- ドッグトリーツ
- キャットトリーツ
- エアドライ製法ペットフード
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