犬や猫のペットフードを選ぶ際、低脂肪の製品が健康に良いと考える飼い主は多いでしょう。しかし、脂肪は犬や猫にとって単なるエネルギー源以上の重要な役割を果たしています。

適切な量と高品質の脂肪は、犬の健康や活力を維持し、ペットフードの嗜好性を高めてくれます。本記事では、ペットフードにおける脂肪の役割と、脂肪の酸化防止方法について詳しく解説します。

フードに与える脂肪の役割

脂肪は、食事において重要な役割を果たす成分です。エネルギーの供給源であるだけでなく、必要な栄養素を補い、フードの嗜好性を豊かにする役割も担っています。

栄養素としての役割

脂肪は、ペットフードの配合に使用される原材料の中に含まれていることがあります。例えば、サーモン生肉に含まれているオメガ3脂肪酸は、肥満予防・新陳代謝の向上や皮膚炎・関節炎への効果があるとされています。

オメガ6脂肪酸には、血中コレステロールを下げる効果があるとされています。具体的に、悪玉コレステロールを減らす作用が期待できます。リノール酸やアラキドン酸など、オメガ6脂肪酸に含まれる成分が悪玉コレステロールを低減させる働きを持っています。

全米研究評議会(NRC)によれば、オメガ6とオメガ3脂肪酸の比率は、2.6 : 1から26 : 1で推奨されているペットフードは、心臓病、関節の問題、および炎症に関連する問題のリスクを軽減させる健康上の利点があることが示されています。

嗜好剤としての役割

脂肪はドライペットフードのキブル内、またはコーティング材として使用されます。最も一般的なコーティング材(パラタント)として使用されるのは「動物性脂肪」です。鶏脂は高い嗜好性をもたらしますが、同時に脂っこさも増します。一方、豚脂は脂っこさが少ない代わりに嗜好性も低くなります。

鶏脂(融点:約30度)と豚脂(融点:約40度)は低温で液体状態を保つことができる利便性があります。一方、牛脂は、約45度と高い融点であるだけでなく、いくつかの国では牛肉フリーを求める要求があり、使用されることは少ない傾向にあります。

ドライペットフードを製造する設備エクストルーダーを用いた配合では、全脂肪を含むと最大8%まで使用されることがあります。魚油や亜麻仁油は、一般的に他の原材料と混合して使用されます。しかし、脂肪はキブルの膨張率に悪影響を与える為、高い添加率では使用されることはありません。

嗜好性を最大限に高める為に

嗜好性を最大限に高める為に

ペットフードの製造における脂肪の使用方法も重要です。前述の通り、脂肪は混錬されたりコーティング材として使用されますが、約80%の比率でコーティング材として使用されます。脂肪をコーティングする最も一般的な方法は、ドラムコーターや真空蒸着機です。

脂肪は、液体または粉末タイプのパラタントと組み合わせて使用されることが一般的です。組み合わせて使用する場合、まず脂肪をキブルの表面に塗布し、次に液体パラタント、最後に粉末パラタントをコーティングします。この順序により、粉末パラタントがより良く付着し、脂肪が粉末および液体パラタントの効果を最大限に発揮させることができます。

脂肪を扱う上での注意点

脂肪はドライペットフードの重要な要素です。脂肪は風味、栄養価、食感、および嗜好性に寄与します。一方、脂肪は酸化現象に非常に敏感なので使用する際に注意が必要です。

もし酸化してしまうと、それによる不快な臭いを発する為、ペットの食欲に悪影響を与える可能性があります。その結果、ペットの飼い主はそれを低品質、またはペットの健康に悪影響を与えるフードとして認識してしまう恐れがあります。

※少しの酸化でも猫の嗜好性に対して悪影響を与えますが、犬はある程度の酸化を許容できると言われています。

脂肪の酸化は3段階

STEP1:開始段階
脂肪が加熱されたり、酸素や金属と接触したりすると、その脂肪酸の構造が変化し、フリーラジカルが生成されます。

STEP2:増殖段階
次に、生成されたフリーラジカルは他の脂肪酸と反応してヒドロペルオキシドを形成します。

STEP3:最終段階
ヒドロペルオキシドが分解してアルデヒド(例えばヘキサナール)、アルコール、または短鎖脂肪酸などの酸化生成物が生成されます。これらの分子によって不快な臭いの原因となります。

この酸化現象が一度始まると、それを止める術はありません(連鎖反応メカニズム)。

フリーラジカルとは

生物の細胞は、「フリーラジカル」という化合物によって常に攻撃されています。フリーラジカルとは、細胞がエネルギーを作る過程でできる「副産物」や、汚染やストレスなど外部の影響で生じるものです。

これらのフリーラジカルは、細胞膜や細胞内の重要な成分である酵素やDNAを傷つけ、その機能を妨げます。特に、神経系や免疫系の細胞に対してフリーラジカルは非常に有害です。これが原因で、様々な病気が進行したり、老化が早まったりすることがあると考えられています。

簡単に言えば、フリーラジカルは体の中で発生する「サビ」のようなもので、体の機能を徐々に悪くしてしまうものです。

脂肪の酸化を防ぐ「抗酸化物質」

この酸化現象からペットフードを守る方法は、抗酸化物質の使用です。抗酸化物質を使用すると酸化反応が遅延し、フードの嗜好性および栄養特性が保持することが出来ます。

酸化防止剤は危険、使わない方が良いといった声を聞き、無添加ペットフードを安易に選ぶ人も見受けられますが、本当に酸化防止剤が無添加の場合、ペットフードの酸化を防ぐことができません。その結果、フードの品質が低下し、犬に有害な物質が発生する恐れがあります。

抗酸化物質の種類

抗酸化物質は、それらの作用に応じて「一次抗酸化物質」と「二次抗酸化物質」に分類されます。一次抗酸化物質はフリーラジカルを解消し、二次抗酸化物質は金属や酸素を解消、または一次抗酸化物質を生成することができます。

一次抗酸化物質
【合成物】ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、エトキシキン(EQ)、ブチルヒドロキノン(TBHQ)、没食子酸プロピル
【天然物】ルテイン、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンC(L-アスコルビン酸)、その他の植物抽出物

二次抗酸化物質
クエン酸(天然物、または合成物)、リン酸(合成物)、エチレンジアミン四酢酸(合成物)

これらの抗酸化物質は、脂肪酸が攻撃される前にフリーラジカルを解消するために作用する(一次抗酸化物質)か、金属イオンに結合し害の少ない物質に変化させる(二次抗酸化物質)ことで機能します。

このように、抗酸化物質は脂肪、油、飼料成分に添加することで、脂質の酸化を減少させます。さらに、特定の一次および二次抗酸化物質の組み合わせにより、個々の成分よりも効果的に脂質酸化を防ぐことができます。

※抗酸化物質は、既に発生した酸化を元に戻すことはできません。

抗酸化物質は合成か天然か?

酸化防止剤は他の添加物と同様に、化学合成による合成酸化防止剤(人工酸化防止剤)と、自然由来の成分を使用した天然酸化防止剤があります。

すべての合成添加物が危険というわけではありませんが、特に酸化防止剤に関しては、BHAやBHT、エトキシキンなどの合成酸化防止剤には発がん性や染色体異常、変異原性が認められているため、ペットフードへの使用が懸念されています。

添加物に配慮したドッグフードでは、天然由来の酸化防止剤が使用されている傾向にありますが、全ての合成物質が悪いというわけではありません。

ペットフードOEM製造 in タイ

ペットフードOEM製造 in タイ

当社では、タイでのドッグフードの開発や受託生産(OEM)を提案させて頂いております。

タイは、ペットフードのOEM製造の主要な拠点として知られています。近年、ペットフード市場の多様化と高品質化に伴い、タイのOEM工場でもプレミアムペットフードの開発が可能です。

ここでは、具体的にタイでOEM製造する多くの利点についてご紹介します。

ペットフード輸出大国としての実績

TPFA(タイペットフード貿易協会)によれば、2021年にはタイの輸出額が前年比27%増の650億バーツ以上となり、世界第3位のペットフード輸出国となりました。

タイ産ペットフードの輸出先である上位5か国は、アメリカ、日本、イタリア、マレーシア、およびオーストラリアであり、インド、インドネシア、ラオスなどのアジア諸国でもタイ産ペットフードの需要が増えてきています。

タイ産ペットフード輸出の着実な成長は、2022年7月時点で既に43%増加(前年比)しており、さらなる加速が見られています。

TPFAの会長であるチャニント・チャリサラポン博士によれば、人間用ツナ缶製造における長年の経験(世界で生産されるツナ缶の約2割がタイ産)も、ウェットペットフード製造の拡大に寄与すると述べられており、タイでのウェットフードの生産も活発になってきています。

高品質な原材料の入手のしやすさ

タイのペットフードで使用される原材料(新鮮で高品質な肉、穀物、魚介類)の95%は地元で調達され、これが同国の生産と世界貿易での成功をさらに促進しています。

というのも、タイは多様な気候と土地を有しており、穀物、野菜、果物といった様々な農産物が生産されています。

さらに、タイでは畜産業も盛んであり、新鮮で高品質な肉(ヒューマングレード)が入手できるだけでなく、タイが海に面していることから豊富な魚介類の資源(ヒューマングレード)もペットフードに利用されています。

コスト面での利点

タイは、生産コストが比較的低いことで知られています。これは、日本や欧米諸国と比較すると安い労働者の賃金や原材料調達のしやすさが影響しています。

これは、これから新規ペットフードを開発しようとしている企業様にとって、とても魅力的なポイントであると言えます。というのも、製造コストの低減は製品価格を抑え、市場での競争力を高める手助けとなるからです。

よくあるご質問

Q
レシピ内容は希望通りに製造できるでしょうか?
Q
タイのOEM製造で使用する原材料の品質について
Q
タイOEMメーカーの製造設備について
Q
タイでの品質管理体制について
Q
問合せから実際に商品が完成するまでどのくらいの期間がかかるでしょうか?
Q
発注してから納品までの期間はどのくらでしょうか?

お問い合わせや相談について

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当社のOEMサポートに関するお問い合わせや相談は、どんなことでも構いませんのでご気軽にご連絡くださいませ。

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ご準備頂きたい事

お問い合わせいただいた後、ご興味やニーズに合わせて詳細な相談を行います。この際、以下の点についてお伺いいたします。

  • プロジェクトの概要
    開発したい製品やプロジェクトの目的についてお聞かせください。
  • 要望や希望事項
    製品の特定の要求や希望事項、予算について教えていただければ、より具体的な提案が可能です。
  • スケジュール
    製品を完成させる目標時期やスケジュールについてお知らせください。

当社では、お客様との密なコミュニケーションを大切にし、プロジェクトの成功に向けて最大限のサポートをさせて頂きます。