ニュージーランドは、その豊かな自然環境と厳格な動物福祉基準で知られており、ドッグフード製造においても高い評価を得ています。本記事では、ニュージーランドでのドッグフードOEM製造がもたらすメリットと、他国でのOEMに対する競争優位性について詳しく解説します。
ニュージーランドの製造環境
ニュージーランドでのドッグフードOEM製造では、免疫力を強化する緑イ貝、マヌカハニー、キウイフルーツといったニュージーランド原産の原材料を使用することが出来るだけでなく、以下のような特徴を持ったドッグフードを製造することが出来ます。
- ケージフリーのNZ産チキンの使用
- 40%以上の高タンパク質含有量
- 人工成長ホルモンや抗生物質不使用
ここでは、ニュージーランドの製造環境についてご紹介していきたいと思います。
NZにおける放牧畜産業
ニュージーランドは広大な草原、新鮮な空気、そして緑豊かな環境で知られています。そして、この国は新鮮な畜産物や多彩で独創的な美食が世界的に有名です。また、羊や牛の酪農業における先進国であることから、優れたチーズやアイスクリームも多く生産され、人気を博しています。
マヌカハニー、アボカドオイル、季節の果物や野菜など、ニュージーランドがもたらす美味しい農産物は数多くあります。ニュージーランド産の素晴らしい味は、世界規模で高級な食品や飲料製品の製造に大きく貢献しています。
これらの食材に対する高い評価は人間用のものに限らず、ニュージーランドで製造されるスーパープレミアムペットフードにも大きく貢献しています。
ニュージーランドには広大な牧場で実施される非常に高い放牧畜産技術により、BSE(一般に狂牛病として知られる病気で、牛の中枢神経系に影響を及ぼし、攻撃的行動あるいは沈鬱状態を引き起こす致命的な病気)も発生していません。
最高品質の原材料と、ペットフードの製造におけるニュージーランドの厳格な規制要件が相まって、同国がスーパープレミアムフードを製造する為の基準を確立していることが伺えます。
大自然で育まれた食材
温暖な気候、高い降雨量、低人口密度、澄んだ水、肥沃な牧草地といったニュージーランドでのみ見られる環境条件の組み合わせにより、原材料の新鮮さと風味が育まれます。
また、ニュージーランドの動物福祉法と放牧畜産システムは、牛、羊、鹿が自然な環境で飼育されることが求められます。放牧環境で育てられた動物たちは、狭い施設に閉じ込められることなく、抗生物質を受ける必要もなく自由に動き回ることができます。
さらに放牧された家畜は、人工ホルモン、穀物飼料、その他の人口添加物を摂取する必要がありません。その結果、放牧された牛の肉には、主に穀物飼料を食べる牛の肉に比べて30〜40%多くの共役リノール酸(CLA – 抗がん作用や体重を減らす効果)が含まれていることが研究で分かっています。
また、放し飼いの鶏肉は脂肪分が少なく、カロリーも低く、卵も脂肪分が少なくビタミンAが多く、オメガ3も多く含まれていることがわかっています。
食品の安全基準
ニュージーランドが最も重要視しているのが、消費者が食品を摂取する上での安全性です。したがって、ニュージーランドでは高い食品安全レベルを達成するために、家畜や農作物への病原体の侵入や病気の蔓延を防ぐための取り組み、そして家畜の行動や給餌の徹底的な管理を実施しています。
また、国際獣疫事務局(WOAH)からニュージーランドは動物疾病がない国として認識されており、高いレベルの食品トレーサビリティも実現しています。
食品トレーサビリティとは、食品原材料の供給先(サプライヤー)まで追跡できることを言い、これにより食品の安全性が保証されるだけでなく、汚染された食品源の大規模な拡散を防ぐことにも繋がっています。
ペットフード製造の厳格な規制
ニュージーランドのペットフード製造業者は、国によって制定された2つの厳格な法律(ACVM法とAPA法)に準拠しなければなりません。
ニュージーランド食品安全局(NZFSA:New Zealand Food Safety Authority)の農薬及び動物用医薬品グループが、1996年に制定されたACVM法によって農薬及び動物用医薬品の登録、輸入食品のモニタリング、製造、販売、使用などの規制を実施しています。
また、1999年の動物製品法(APA)では、ニュージーランドの動物製品基準を満たすことにより、取引および使用されるすべてのペットフード製品が「意図された目的に適合」していることを求めるリスク管理システムを確立しています。
これらの厳格な法律により、厳選されたペットフード製造業者、かつ衛生的な環境で製造され、高い食品安全レベルを達成しながら栄養豊富な食材を使ったペットフード製造が保証されています。
自社製造 vs OEM製造
自社で製造するのと比較してOEM製造には、いくつかのメリットがあります。
柔軟な製品開発
OEM製造を利用することで、ドッグフードメーカーは製品を自社のニーズに合わせてカスタマイズすることが可能です。たとえば、特定の成分を含む製品や、特定の消費者層に向けたパッケージデザインなど、細かな調整が行えます。これにより、独自性のある製品を市場に投入することができ、競争力を高めることができます。
コスト削減と効率化
OEM製造は、製造設備の設置や運営にかかるコストを削減する手段としても有効です。既存の設備と熟練した製造技術を活用することで、初期投資を抑えながら高品質な製品を作ることができます。さらに、製造プロセスの効率化により、製品の市場投入までのリードタイムを短縮できる点も大きな利点です。
高い品質と信頼性
特にニュージーランドのOEMメーカーは、厳しい品質管理基準を満たしており、これにより一貫した製品品質が保証されます。高品質な原材料と厳格な品質管理体制が組み合わさることで、製品の品質と信頼性が向上し、消費者からの信頼を得ることができます。
他国OEMに対する競争優位性
ニュージーランドでのOEM製造は、他国のそれと比べて多くの競争優位性を持っています。
地政学的リスクが低い
ニュージーランドは地政学的リスクが低い地域に位置しています。例えば、オランダやイギリスで製造される製品は、基本的に中東地域のスエズ運河や紅海を経由して日本に輸送されます。しかし、これらの地域は過去に封鎖やコンテナ船襲撃事件が発生しており、政治的緊張が高まるとその影響を受けやすい地域です。
一方、ニュージーランドからの輸送ルートは、こうした地政学的なリスクを避けることができます。日本へのアクセスが直接的であるため、輸送に伴うリスクが抑えられ、より安全なサプライチェーンを構築することが出来ます。
輸送リードタイムの短縮
ニュージーランドから日本への輸送は、英国やオランダで製造される製品の輸送と比較してリードタイムが短くなります。一般的に、欧州から日本までは約60日間、一方でニュージーランドから日本までは約30日間と半分で済みます。
これにより、製品の市場投入が迅速に行えるため、需要の変動に素早く対応することができます。また、リードタイムが短くなることで、在庫管理の効率化も図ることができ、企業の運営コストを削減することが可能です。
キャッシュフローの改善
輸送リードタイムの短縮は、キャッシュフローの改善にもつながります。製品が迅速に市場に投入されることで、売上が早期に発生し、資金回収が迅速に行えるようになります。
英国やオランダでの製造では輸送期間(約60日間)が長いため、キャッシュフローのサイクルが長くなりがちですが、ニュージーランドからの輸送(約30日間)はこの問題を半減します。
結果として、企業は資金繰りをより効率的に行い、ビジネスの成長を促進することができます。
環境規制と持続可能性
ニュージーランドは、他国と比較しても特にサステナブルな畜産とドッグフード製造に重きを置いています。環境に配慮した製造が行われていることは、日々環境意識が高まってきている日本市場において大きな魅力です。この点は、ブランドのイメージ向上にもつながり、他国の製品との差別化ポイントとなります。
消費者から信頼された品質
ニュージーランド産のドッグフードは、その品質と安全性でグローバル市場でも高い評価を得ています。特に、厳しい食品安全基準をクリアした製品は、消費者の信頼を獲得しやすく、競争優位性を確保するための重要な要素となっています。
日本企業の成功事例
ニュージーランドでのOEM製造を実施したいくつかの日本企業様の成功事例をご紹介します。ある企業様は、オセアニア地域特有のカンガルー肉をタンパク質源として製品をOEM開発し、日本市場での成功を収めています。というのも、依然として日本市場ではカンガルー肉を使ったドッグフードの市場展開が少ない為です。
価格に関しても、ニュージーランド産のドライドッグフードの競合製品が少ない為、高い価格設定を実現しています。加えて、ニュージーランドでは、他国ではOEM製造できないエアドライ製法や総合栄養食フリーズドライ製造が可能です。これらの製品を販売する企業様はさらに高い価格設定を実現しています。
このように、いくつかの日本企業様はスーパープレミアムドッグフードをニュージーランドで開発し、日本市場で大きなシェアを獲得しています。この成功の要因は、ニュージーランド特有の高品質な原材料を使用したこと、そしてペットの人間化というトレンドに合わせて製品開発が行えたことにあります。
お問い合わせや相談について
弊社では、お客様のご要望にあわせて複数のOEM製造メーカー様から適切なパートナー様をご紹介いたします。当社のOEMサポートに関するお問い合わせや相談は、どんなことでも構いませんのでご気軽にご連絡くださいませ。
主な取り扱い品目
- ドライドッグフード
- フリーズドライ生肉ドッグフード
- ドライキャットフード
- フリーズドライ生肉キャットフード
- ドッグトリーツ
- キャットトリーツ
- エアドライ製法ペットフード
- レトルト用品
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