エアドライ製法ドッグフードは、その栄養価の高さと、安心できる品質の高さが魅力の製品です。特にニュージーランド産は、高品質な食材と厳格な製造基準により、ペットフード業界で人気を集めています。

本記事では、エアドライ製法ドッグフードの基本から、ニュージーランドのOEM製造環境、そして他国OEMに対する競争優位性について解説していきます。

自社ブランドの製品化を目指す企業にとって、ニュージーランド産エアドライ製法ドッグフードのOEM開発は、ビジネスチャンスを広げる重要な選択肢です。

エアドライドッグフードとは

多くのペットオーナーにとって、キブル(ドライドッグフード)が一般的ですが、エアドライ製法のドッグフードは、生食本来の栄養価と、シンプルで手軽に与えられるドライドッグフードの代替品として注目されています。

エアドライドッグフードは高温調理されない為、生肉や新鮮な野菜やフルーツなどの栄養素と風味をそのまま活かすことが出来ます。その為、エアドライ製法ドッグフードには、高品質かつナチュラルフードが原材料として利用されます。

その結果、高品質のエアドライドッグフードの場合、添加剤を使用せずに食材本来のタンパク質、ビタミン、ミネラルといった栄養素だけで犬に必要な必須栄養素をもたらすことが出来ます。

エアドライドッグフードの製造方法

まず新鮮な生肉、野菜、果物などを混ぜてひき肉状にします。その後、エアー(温風)が絶えず循環する乾燥室に置かれ、水分を蒸発させます。そして、エアドライ製品の水分含有量は約10-12%にまで減少します。

このようにエアドライ製法は、従来の缶詰やドライドッグフードのように高温で調理されるのと違って、低温でゆっくりと空気乾燥させる為、熱に弱いビタミンなどの栄養素を保持しながら、危険な病原体を死滅させます。

獣医外科医であるリンダ・サイモン博士(MVB MRCVS)によれば、「エアドライ製法ドッグフードは、栄養素や酵素がほとんど損なわれず、オーガニックな総合栄養食として利用することができます。さらに、乾燥プロセスでは、生の食材から細菌を取り除き、食中毒を防ぐことができます。」とあります。

エアドライフードがもたらすメリット

エアドライフードがもたらすメリット

食材本来の栄養素を含む

先述したように多くのエアドライドッグフードは、高品質または自然由来の原材料を使用しています。例えば、抗生物質を使用していないケージフリーチキン、グラスフェッドビーフ、天然の魚、亜麻仁、ニンジン、カボチャ、クランベリー、リンゴなどが含まれます。これらの天然成分は、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルなど犬の健康に必要な栄養素を提供します。

一般的であるドライドッグフードは、材料を押出し、その後約180度の温度で焼成して作られる為、原材料の栄養価を大幅に低下させることが分かっています。

しかし、エアドライ製法は約60-80度の低温で調理されるため、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群、抗酸化物質、オメガ脂肪酸、アミノ酸リジンなど熱に敏感な栄養素の損失を最小限に抑えます。その結果、エアドライ製法では原材料に含まれる天然の栄養価をそのまま得ることができます。

また、エアドライフードの大きな利点の一つは、人工保存料を使用せずに、食材の自然な風味や栄養を保持できることです。これは、特定のアレルギーや感受性を持つ犬に特に有益です。

消化問題を抱えた犬に最適

エアドライ製法のドッグフードは、犬の祖先である野生のイヌ科動物が栄養としていた生の食事に近いとされています。そのため、加工されたドライドッグフードと比較すると犬にとって消化が容易で、胃腸の健康リスクを軽減します。

またエアドライ製法により、原材料に含まれるタンパク質や炭水化物を分解し、犬が消化しやすくなります。これは、敏感な胃や消化問題を抱える犬にとって特に有益なポイントです。

さらに、一部のエアドライドッグフードには、亜麻仁のような腸内フローラと腸の健康を維持するために特別に設計された成分が含まれています。

食材を活かした嗜好性の高さ

エアドライ製法は、食材の自然な風味を維持する為、犬にとって非常に魅力的なフードとなります。これは、味覚の鋭い犬にとってプラスになるだけでなく、彼らの健康にも良い影響を与えます。

この嗜好性の高いエアドライフードは、特に病気によって食欲が減少している犬や、好き嫌いの激しい犬にとって選択肢の一つとなります。これにより、必要なカロリー、ビタミン、ミネラル、栄養素をしっかりと摂取できるようになります。

嗜好性の高い食事は、食事の時間を犬にとってより楽しいものにし、ペットと飼い主の絆を強めるポジティブな食事体験をもたらすことができます。

添加剤を含まない自然フード

エアドライ製法のドッグフードを販売するメーカーは、コスト削減のために栄養価の低い原材料(でんぷんなど)を使用するドッグフードメーカーとは一線を画します。

彼らは安全で栄養価の高いレシピを提供するために、通常、ナチュラルフードを使用するだけでなく、原材料の情報開示も積極的に行っています。エアドライフードの真の利点は、フードを製造・販売する企業が犬の健康を第一に考えている点です。

もちろん、エアドライフードは高価で、安くはありません。しかし、これにより新鮮かつタンパク質が豊富な食事が保証されるだけでなく、犬の健康を最大限にサポートしてくれます。

エアドライフードを販売する多くのブランドが、成分値の出所、製品の品質、製造工程に関する詳細な情報を提供しており、飼い主が安心して購入することができる傾向にあるようです。

長期保存と利便性を実現

エアドライ製法ドッグフードは、ペットオーナーにとって便利で長期保存を可能にしてくれます。また、その柔らかくしなやかな食感は、水にふやかす必要がなく、飼い主の手間を省いてくれます。

このエアドライフードは長期保存が可能なため、大量に購入しても消費期限を心配する必要が無く、まとめ買いによるコストダウンを図ることもできます。また、常温で保管することが出来る為、保管場所にも困りません。

フリーズドライフードとの違い

フリーズドライフードとの違い

エアドライフードとフリーズドライフードがどう違うのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。これらは多くの点で類似していますが、決定的な違いもあります。

エアドライフードとフリーズドライフードの両方は、ペットオーナーに生食のドッグフードに代わる安全で便利な選択肢を提供するために開発されました。そして、エアドライフードと同様に、フリーズドライフードも高品質の動物性タンパク質や自然由来の原材料が使用されます。

ただし、エアを使って原材料を優しく乾燥させる代わりに、フリーズドライフードは凍結乾燥機で氷点(共晶点)以下で凍結させ、その状態のまま昇華によって水分を除去することで作られます。実際、これは単純に乾燥させるというよりも、凍結させてから真空状態にして乾燥させるといったイメージです。

もう少し詳しく説明すると、まず食材を凍結させて水分を氷(個体)にします。そして、真空装置によって減圧させることで、非常に低い温度で氷(個体)から水蒸気(気体)に変化させることができます。液体になる工程を経ずにです。これを昇華と呼びます。昇華の際に発生する水蒸気は、コールドトラップによって蒸気を凝縮し凍らせて、機械の内壁に付着させます。

このフリーズドライ製法によって食材から水分を除去するので、食材にはほとんどの水分が含まれておらず、保証分析値では水分が約5〜10%です。(エアドライフードの水分は約10-12%です。)しかし、食材の栄養素はほとんどそのまま保持されます。

エアドライフードの方がより多くの水分を保有するため、エアドライドッグフードの食感は、より柔らかくてしなやかです。イメージとしては、ジャーキーのような食感になります。そして、フリーズドライフードはより軽いですが、与える前に水でふやかして与える場合が多いです。

エアドライ製品の懸念点

エアドライ製品に対してユーザーが懸念する点といえば、製品価格です。日本で販売されている多くのエアドライフードの製品価格は高値で販売されています。

というのも、これまでお伝えしてきたようにエアドライ製法は、通常のエクストルーダーで大量生産するドライドッグフードと違い、低温で工数をかけて製造されます。

一方、エアドライフードは高たんぱく&高脂質であることから、以下のようにドライドッグフードの給餌量より少なくて済みます。

体重 ※5kgの場合NZ産 エアドライフードカナダ産 ドッグフード
給餌量71g90g
販売価格37,180円/4kg8,800円/2.0kg
一日の食事代約660円約396円
独自調査の為、参考情報としてご覧ください。

それでも、通常のドッグフードの食事代よりも高くなる傾向にありますが、これまで述べてきたエアドライ製法のドッグフードの利点を考えると、そこまで高くはないのではないでしょうか。

ニュージーランドのOEM製造環境

ニュージーランドのOEM製造環境

ニュージーランド産の食材は世界でもトップレベルで品質の高いものとして知られ、まさにエアドライドッグフードを製造するのに相応しい場所です。その理由を探るべく、ここではニュージーランドのOEM製造環境について解説していきたいと思います。

NZにおける放牧畜産業

ニュージーランドは広大な草原、新鮮な空気、そして緑豊かな環境で知られています。そして、この国は新鮮な畜産物や多彩で独創的な美食が世界的に有名です。また、羊や牛の酪農業における先進国であることから、優れたチーズやアイスクリームも多く生産され、人気を博しています。

マヌカハニー、アボカドオイル、季節の果物や野菜など、ニュージーランドがもたらす美味しい農産物は数多くあります。ニュージーランド産の素晴らしい味は、世界規模で高級な食品や飲料製品の製造に大きく貢献しています。

これらの食材に対する高い評価は人間用のものに限らず、ニュージーランドで製造されるスーパープレミアムペットフードにも大きく貢献しています。

ニュージーランドには広大な牧場で実施される非常に高い放牧畜産技術により、BSE(一般に狂牛病として知られる病気で、牛の中枢神経系に影響を及ぼし、攻撃的行動あるいは沈鬱状態を引き起こす致命的な病気)も発生していません。

最高品質の原材料と、ペットフードの製造におけるニュージーランドの厳格な規制要件が相まって、同国がスーパープレミアムフードを製造する為の基準を確立していることが伺えます。

大自然で育まれた食材

温暖な気候、高い降雨量、低人口密度、澄んだ水、肥沃な牧草地といったニュージーランドでのみ見られる環境条件の組み合わせにより、原材料の新鮮さと風味が育まれます。

また、ニュージーランドの動物福祉法と放牧畜産システムは、牛、羊、鹿が自然な環境で飼育されることが求められます。放牧環境で育てられた動物たちは、狭い施設に閉じ込められることなく、抗生物質を受ける必要もなく自由に動き回ることができます。

さらに放牧された家畜は、人工ホルモン、穀物飼料、その他の人口添加物を摂取する必要がありません。その結果、放牧された牛の肉には、主に穀物飼料を食べる牛の肉に比べて30〜40%多くの共役リノール酸(CLA – 抗がん作用や体重を減らす効果)が含まれていることが研究で分かっています。

また、放し飼いの鶏肉は脂肪分が少なく、カロリーも低く、卵も脂肪分が少なくビタミンAが多く、オメガ3も多く含まれていることがわかっています。

食品の安全基準

ニュージーランドが最も重要視しているのが、消費者が食品を摂取する上での安全性です。したがって、ニュージーランドでは高い食品安全レベルを達成するために、家畜や農作物への病原体の侵入や病気の蔓延を防ぐための取り組み、そして家畜の行動や給餌の徹底的な管理を実施しています。

また、国際獣疫事務局(WOAH)からニュージーランドは動物疾病がない国として認識されており、高いレベルの食品トレーサビリティも実現しています。

食品トレーサビリティとは、食品原材料の供給先(サプライヤー)まで追跡できることを言い、これにより食品の安全性が保証されるだけでなく、汚染された食品源の大規模な拡散を防ぐことにも繋がっています。

ペットフード製造の厳格な規制

ニュージーランドのペットフード製造業者は、国によって制定された2つの厳格な法律(ACVM法とAPA法)に準拠しなければなりません。

ニュージーランド食品安全局(NZFSA:New Zealand Food Safety Authority)の農薬及び動物用医薬品グループが、1996年に制定されたACVM法によって農薬及び動物用医薬品の登録、輸入食品のモニタリング、製造、販売、使用などの規制を実施しています。

また、1999年の動物製品法(APA)では、ニュージーランドの動物製品基準を満たすことにより、取引および使用されるすべてのペットフード製品が「意図された目的に適合」していることを求めるリスク管理システムを確立しています。

これらの厳格な法律により、厳選されたペットフード製造業者、かつ衛生的な環境で製造され、高い食品安全レベルを達成しながら栄養豊富な食材を使ったペットフード製造が保証されています。

他国OEMに対する競争優位性

他国OEMに対する競争優位性

ニュージーランドでのOEM製造は、他国のそれと比べて多くの競争優位性を持っています。

地政学的リスクが低い

ニュージーランドは地政学的リスクが低い地域に位置しています。例えば、オランダやイギリスで製造される製品は、基本的に中東地域のスエズ運河や紅海を経由して日本に輸送されます。しかし、これらの地域は過去に封鎖やコンテナ船襲撃事件が発生しており、政治的緊張が高まるとその影響を受けやすい地域です。

一方、ニュージーランドからの輸送ルートは、こうした地政学的なリスクを避けることができます。日本へのアクセスが直接的であるため、輸送に伴うリスクが抑えられ、より安全なサプライチェーンを構築することが出来ます。

輸送リードタイムの短縮

ニュージーランドから日本への輸送は、英国やオランダで製造される製品の輸送と比較してリードタイムが短くなります。一般的に、欧州から日本までは約60日間、一方でニュージーランドから日本までは約30日間と半分で済みます。

これにより、製品の市場投入が迅速に行えるため、需要の変動に素早く対応することができます。また、リードタイムが短くなることで、在庫管理の効率化も図ることができ、企業の運営コストを削減することが可能です。

キャッシュフローの改善

輸送リードタイムの短縮は、キャッシュフローの改善にもつながります。製品が迅速に市場に投入されることで、売上が早期に発生し、資金回収が迅速に行えるようになります。

英国やオランダでの製造では輸送期間(約60日間)が長いため、キャッシュフローのサイクルが長くなりがちですが、ニュージーランドからの輸送(約30日間)はこの問題を半減します。

結果として、企業は資金繰りをより効率的に行い、ビジネスの成長を促進することができます。

環境規制と持続可能性

ニュージーランドは、他国と比較しても特にサステナブルな畜産とドッグフード製造に重きを置いています。環境に配慮した製造が行われていることは、日々環境意識が高まってきている日本市場において大きな魅力です。この点は、ブランドのイメージ向上にもつながり、他国の製品との差別化ポイントとなります。

消費者から信頼された品質

ニュージーランド産のドッグフードは、その品質と安全性でグローバル市場でも高い評価を得ています。特に、厳しい食品安全基準をクリアした製品は、消費者の信頼を獲得しやすく、競争優位性を確保するための重要な要素となっています。

お問い合わせや相談について

お問い合わせや相談について

弊社では、お客様のご要望にあわせてニュージーランドにある複数のOEM製造メーカー様から適切なパートナー様をご紹介いたします。当社のOEMサポートに関するお問い合わせや相談は、どんなことでも構いませんのでご気軽にご連絡くださいませ。

主な取り扱い品目

  • ドライドッグフード
  • フリーズドライ生肉ドッグフード
  • ドライキャットフード
  • フリーズドライ生肉キャットフード
  • ドッグトリーツ
  • キャットトリーツ
  • エアドライ製法ペットフード
  • レトルト用品

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