タイの貿易・通関統計では、国毎もしくはエリア毎でのタイからの輸出数量・金額、もしくはタイへの輸入数量・金額を調べることができます。つまり、対象品目の「市場規模」「輸入単価」を確認することができるので、以下のことが出来ます。
・市場規模を把握できる(〇) ・自社製品の価格競争力を確認できる(〇)
こんな方にオススメ
・タイで起業を考えている。
・日本にタイの商品を仕入れたい。
・タイに日本の商品を仕入れたい。
・タイから海外へ商品を輸出したい
事前に確認すること
調べる目的を明確にする。
事前に調査する目的を明確にしてください。例えば、「タイでの市場規模を把握する為」であれば、「タイへの輸入量または輸入額を調べる」と明確になります。
当たり前のように聞こえますが、事前に目的を明確にしておかないと、調べている途中で明後日の方向へ進んでしまうことがあるので気を付けて下さい。
対象物のHSコードを調べる。
調べたい対象物の「HSコード」を調べてください。
一度おさらいすると、貿易対象品目のHSコードは6桁目までは全世界共通のコードになっております。しかし、さらに細かく分類する(例えば、プリント有/無のTシャツか等)7桁目以降は国によってコードが異なってきます。
では、タイの貿易・通関統計はどうなっているかというと、やはり独自のHSコードがあるようです。HSコードは、11桁で構成されていますが、初めの6桁は、全世界共通のHSコードと同じです。
したがって、タイの貿易・通関統計を調査するには、まず製品の上6桁のHSコードを調査し、そのコードを使って最終的にタイのHSコードを絞り込んでいく必要があります。詳しくは、下記ページよりご覧ください。
7桁目以降を調べる方法
タイの貿易・通関統計でどのように7桁目以降を調べていくか簡単に説明します。まずは、今回調べる対象を決めます。
対象:綿製プリント付きTシャツ (HSコード:610.910.???)
早速、下記のリンクをクリックして、タイの貿易統計サイトへ行きます。
➤ Thai Customs
では早速見ていきましょう。
画面を開くと上記の画面が出てきます。ここで、HSコードを入力する箇所があるのでここに入力していきます。ただし、タイ国でのHSコード入力は4パターンと決められています。
2桁 4桁 8桁 11桁
したがって、まずは世界共通である6桁の初めの4桁部分「6109」で検索します。他の部分は入力せず「Search」ボタンをクリックします。
すると、上記のように検索結果が出てきます。ここで思い出してください。HSコードの6桁目までは世界共通でした。ですので、赤枠に囲まれた部分のどちらかが対象のHSコードになるわけです。
コメントを見てみると、「男性用」「女性用」で分類されていることが分かりました。日本の貿易統計にはない分類内容ですね。今回は、「男性用」のHSコードを使っていくこととします。
対象:男性用綿製Tシャツ (HSコード:610.910.10) 目的:日本からタイに輸入されている対象物の市場規模を把握する為 手段:日本からの輸入額を調べる
貿易・通関統計の調べ方
➤ Thai Customs
上記のリンクをクリックしてタイ貿易統計サイトへ行きます。
①Type(タイプ)
・Import(輸入) ・Export(輸出)
日本からの輸入額を調べるので、「輸入」を選択します。
②HS-Code(HSコード)
・ 2桁 ・ 4桁 ・ 8桁 ・11桁
既に対象物が男性用綿製Tシャツであるので、さきほど調べておいたHSコード「610.910.10」を入力します。HSコードを入力する際、ピリオドの入力は不要ですので、「61091010」と入力します。
③Country(国)
・All Country ・各国が続く
今回は日本からの輸入額なので、「JP-JAPAN」を選択すれば問題ありません。一方「All country」にすると全国からの輸入額が分かり、比較分析もできるので便利です。したがって、今回は「All country」を選択します。
④Month(月)
January(1月)~December(12月)
今回の目的は、市場規模を把握するためです。精度の高い統計データを取得するには、少なくとも一年以上のデータを取得するのが望ましいです。
「December(12月)」を選択すると、「12月単月」と「対象年の12月迄の累積」を見ることが出来ます。したがって、「December(12月)」を選択します。
⑤Year(年)
2001年~最新年
2001年から最新年迄のデータを閲覧することができます。
年間データを取得する際に、注意すべき点が一つあります。例えば、上記画面の赤枠をみると、「Latest released(最新更新月)」が8月になっています。したがって、2021年を設定しても1月から8月までのデータしかないということです。
もし、最新年を調べる際は、この点にご注意ください。今回は、年間データを見たいので、2020年に設定します。
⑥Search(検索)
以上の選択内容を下記にまとめました。
① Type:Import ② HS-Code:61091010 ③ Country:All country ④ Month:December ⑤ Year:2020
最後に、「Search」ボタンを押します。
検索結果の見え方
Excelファイルへの抽出方法
検索結果が、上記画面です。エクセルにダウンロードすると、輸入金額ベースで並べ替えできるので便利です。したがって、「Export」をクリックし、エクセルにデータをダウンロードします。
上記画面が、エクセルにダウンロードし、輸入額の大きい順に並べ替えた結果です。これにより、日本からの年間輸入額が、 全国の輸出国の中で11番目に多い、年間27,417,072バーツ(約1億円)であることがわかりました。
このようにしてタイの貿易・通関統計では、国毎にタイからの輸出数量・金額、もしくはタイへの輸入数量・金額を調べることができます。タイに関する市場調査に活用してみてください。