近年、ペットフード業界では「栄養価や嗜好性を損なわずにコストを抑えたい」「脱炭素化を進めたいが、肉に代わる栄養価の高い素材が見つからない」という声が高まっています。
こうした課題に対し、海外のある原材料メーカーが開発した画期的な植物性原料「アルファルファ濃縮プロテイン」が注目されています。
アルファルファ濃縮プロテインとは
アルファルファ濃縮プロテインは、収穫されたアルファルファの葉から抽出・濃縮された植物性たんぱく原料です。そして、以下の特長があります。
- 冷凍ブロック(16kg単位)で供給、35%固形分含有
- 冷凍肉原料との混合が容易
- 肉に似たソフトで粒状のテクスチャ
- AAFCO定義:IFN 4-16-026 アルファルファ栄養濃縮物
- 冷凍(-18℃)で24ヶ月以上の保存可能
肉ベースのレシピに相性抜群
アルファルファ濃縮プロテインは、肉主体のレシピに「混ぜるだけ」で簡単に取り入れることができ、以下のような利点をもたらしてくれます。
- 動物性タンパク質を第一原料としながら、埋め合わせだけの炭水化物の添加を大幅に削減。
- プレミアム植物性たんぱく源。(穀物や大豆ベースではない)
- マクロ栄養素構成が肉に近いため、レシピの調整が容易。
- 冷凍肉と同様の取り扱いが可能。
- さまざまな肉や製品形態と組み合わせ可能。
栄養構成(乾物基準)
栄養素 | アルファルファ濃縮プロテイン | 通常のアルファルファ |
---|---|---|
粗たんぱく質 | 50%以上 | 17.5% |
粗脂肪 | 12% – オメガ3(ALA)6% – オメガ6(LA)2.5% | 4.5% – オメガ3:2.3% – オメガ6:0.9% |
粗繊維 | 7.5% | 2.6% |
灰分 | 10% | 3.5% |
アルファルファ濃縮プロテインは、通常のアルファルファと比較して栄養価が大幅に向上しています。特に粗たんぱく質は50%以上と非常に高く、通常の17.5%と比べて効率的なたんぱく源です。
脂肪分も豊富で、オメガ3脂肪酸(ALA)は6%、オメガ6(LA)は2.5%含まれ、抗炎症作用や皮膚・被毛の健康維持に役立ちます。
繊維質も7.5%と高く、消化器の健康をサポート。一方、灰分は10%と高めで、ミネラル分も豊富に含まれていることが分かります。
動物性タンパク質との比較

アルファルファ濃縮プロテインは、牛肉 心臓、ラム肉 肝臓、デボンド家禽肉などの動物性たんぱく質と比べても、たんぱく質や脂質のバランスに優れ、植物性たんぱく質ながら動物性たんぱく質に近い機能性を持っていることが分かります。
高機能な栄養素が豊富
βカロテン・ルテイン

カロテノイド類は、自然界に広く存在する植物由来の色素成分で、犬や猫にとって重要な栄養素の一つです。代表的なものにルテイン、β-カロテンなどがあり、これらは強力な抗酸化作用を持ち、細胞の老化や酸化ストレスから体を守る働きがあります。
特にルテインは目の黄斑部に多く存在し、網膜の健康を維持することで視力の低下予防に寄与します。また、β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、免疫機能の強化や皮膚・粘膜の健康維持に役立ちます。
これらのカロテノイドは、加齢に伴う視力低下や免疫力の低下が気になるシニアペットにも効果が期待され、日常的に摂取することで活力維持にもつながります。
豊富なオメガ脂肪酸

オメガ脂肪酸は、犬や猫の健康維持に欠かせない必須脂肪酸であり、特にオメガ3とオメガ6には皮膚、関節、被毛の健康をサポートする重要な役割があります。
オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があり、関節のこわばりや炎症の緩和に寄与します。これはシニア犬や運動量の多い犬種にとって非常に有効です。
また、皮膚の水分保持を助け、乾燥やかゆみ、フケの予防に役立ち、被毛のツヤやなめらかさを保つ効果も期待されます。さらに、細胞膜の構成要素として免疫機能の正常化にも寄与します。
類を見ない豊富なビタミンK

ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種で、犬や猫の健康維持に欠かせない重要な栄養素です。主に血液凝固に関与し、出血時に血を止める働きを助けます。
また、ビタミンKは骨の健康にも関与しており、カルシウムの骨への取り込みをサポートすることで、骨密度の維持や骨折予防に役立ちます。特に成長期の若齢動物やシニア期のペットにとっては、骨の健康を保つために必要不可欠なビタミンです。
さらに、近年ではビタミンKが血管の石灰化を防ぐ働きを持つことも注目されており、循環器系の健康にも好影響をもたらすとされています。
様々なペットフードに応用可
- ウェットフード(缶詰・パウチ)
- ドライフード(キブル)
- トリーツやサプリメント
実際の事例として、牛肉・かぼちゃ・玄米のレシピに10%配合したウェットフードや、4%配合のキブルやトリーツなどが開発されています。
嗜好性の高い植物性たんぱく質
種類 | 猫 | 犬 |
---|---|---|
アルファルファ濃縮プロテイン 4.5%添加 | 〇 | 〇 |
アルファルファ濃縮プロテイン 2.4%添加 | 〇 | N/A |
アルファルファ濃縮プロテイン 無し | N/A | 〇 |
栄養学の分野で権威のある大学と共同で実施された嗜好性試験により、上記の結果が得られました。
- 猫:基準量(20g/回)を超える摂取量(平均34g)を確認。
- 犬:アルファルファ濃縮プロテインを含む食事と含まない食事で嗜好性に違いなし。
つまり、アルファルファ濃縮プロテインは犬猫ともに「違和感なく食べられる」植物性たんぱく質であることが証明されています。