ペットの健康を考えるとき、食事の重要性を見逃すことはできません。特に、犬や猫の関節の健康を守るためには、適切な原材料を選ぶことが鍵となります。

関節の問題は、加齢や運動量の低下、遺伝的な要因などによって多くのペットに影響を与えることがあります。一方、関節のサポートに効果的な栄養素を含む原材料を選ぶことで、痛みの軽減や可動性の向上をサポートするペットフード開発が可能です。

本記事では、犬や猫の関節を守り、健康な日々をサポートするために重要な原材料の選び方について詳しく解説します。

オメガ3脂肪酸

以前は、関節の疾患(関節炎など)は、犬や猫が年を取るにつれて自然に起こる摩耗が原因だと考えられていましたが、現在では慢性的な軽度の炎症が大きな原因であることがわかっています。オメガ3脂肪酸は、炎症を減少させる効果があり、若い犬や猫の関節を健康に保ち、高齢ペットの関節痛の症状緩和に役立ちます。

オメガ3脂肪酸の供給源として魚油(フィッシュオイル)を使用することが知られていますが、ニュージーランド産の緑イ貝もオススメです。緑イ貝の特別な点は、その多様なオメガ3脂肪酸の豊富な栄養素にあります。

一般的な魚油には、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)の2種類のオメガ3脂肪酸しか含まれていませんが、緑イ貝には、さらにエイコサテトラエン酸(ETA)という3つ目のオメガ3脂肪酸が含まれています。この豊富な栄養素のおかげで、炎症が減少し、痛みが軽減されます。

タンパク質

ホリスティック(健康全体)な視点を持つことが、犬や猫の関節疾患の改善に繋がります。多くの飼い主は、関節に関する健康だけを考えがちですが、それを支える筋肉や軟部組織のケアも同じくらい重要です。

関節炎によってペットの動きが鈍くなると、「使わなければ失う」という原則が働き、筋肉量が減少し、それが関節に関する問題を悪化させます。

タンパク質は、犬や猫の筋肉を健康に保つための鍵です。体の主要な構成要素であり、筋肉や他の組織の修復にも使われます。タンパク質の重要性は知られていますが、犬や猫にとってどれくらい必要かを理解するのは難しいかもしれません。

天然の抗炎症食材

前述の通り、炎症は健康な関節の最大の敵です。抗炎症薬は有害な副作用を引き起こすことがありますが、自然界には多くの安全な天然の抗炎症食材があります。

これらは若い犬や猫の慢性的な炎症を抑え、関節炎による痛みを伴う関節の腫れを軽減するのに役立ちます。例えば、、ブルーベリー、ターメリック(生の根、粉末、またはサプリメントの形)、脂肪の多い魚、サツマイモ、新鮮なショウガの根、ほうれん草、かぼちゃ等です。

これらのナチュラルフードを犬や猫の食事に取り入れることが大切です。

グルコサミン

グルコサミンは、犬や猫の健康な軟骨と関節機能を維持するために非常に重要な成分の一つです。これはアミノ糖の一種であり、体内で軟骨を形成・維持する役割を果たしています。健康な軟骨は、関節のスムーズな動きを助け、衝撃を吸収するクッションのような役割を持っています。

しかし、ペットが年を取るとともに体内で自然に生成されるグルコサミンの量が減少し、軟骨がすり減りやすくなります。その結果、関節の痛みや炎症が発生しやすくなり、関節炎や可動性の低下などの問題が起こることがあります。

グルコサミンをサプリメントやペットフードの形で補充することは、関節の問題を予防し、関節の健康を維持するのに役立ちます。特に高齢のペットや関節に問題を抱えている犬や猫にとって、グルコサミンの摂取は、軟骨の修復と再生を促進してくれます。

コンドロイチン

コンドロイチンは、犬や猫の関節の健康を支えるために重要な成分の一つで、特に軟骨の維持と修復に関わっています。コンドロイチンは軟骨の主要な成分であり、水分を引き寄せて水分を保持する働きを持っています。これにより、関節内のクッション効果が高まり、摩擦を軽減してスムーズな動きをサポートします。

さらに、コンドロイチンには、軟骨を分解する酵素の働きを抑える効果があるため、関節問題の軽減に役立ちます。特に関節炎や加齢による関節の問題を抱えるペットにとって、コンドロイチンの補給は、軟骨の破壊を防ぎ、炎症を抑えて痛みを軽減する効果が期待できます。

ビタミンC(アスコルビン酸)

ビタミンC(アスコルビン酸)は、犬や猫の健康全般に重要な役割を果たす抗酸化物質であり、関節の健康にも効果的です。ビタミンCは体内でフリーラジカルを中和し、酸化ストレスから細胞を守る働きをします。酸化ストレスは、細胞の老化を加速させ、関節の炎症や損傷を引き起こす原因の一つとなるため、ビタミンCの抗酸化作用は関節の保護に役立ちます。

また、ビタミンCはコラーゲンの合成に不可欠な成分でもあります。コラーゲンは、軟骨や結合組織の構造を支える重要なタンパク質であり、関節の弾力性と強度を維持するために必要です。ビタミンCが十分に供給されることで、コラーゲンの生成が促進され、関節や軟骨の健康がサポートされます。

犬や猫は体内でビタミンCを自然に生成することができますが、関節の問題やストレスが多い状況下では、追加のビタミンC補給が有効な場合があります。特に関節炎を抱えるペットにとって、ビタミンCの摂取は炎症を抑え、関節の健康をサポートする助けとなります。