近年、犬の健康管理において穀物不使用(グレインフリー)のドッグフードが注目を集めています。このトレンドは、現代人の間で人気のパレオダイエットと同様に、古代の食事習慣が健康に良いとされる理論に基づいています。

パレオダイエットは、加工食品や調味料、砂糖を避け、良質なたんぱく質、炭水化物、脂質をバランス良く摂取することを基本としています。

これと同じ考え方を犬の食事にも適用し、穀物を避けることで、アレルギーの緩和や消化の改善、エネルギーの増加などの健康効果が期待されています。

本記事では、グレインフリー理論の背景やそのメリット、そして穀物が現代のドッグフードに含まれる理由などについて詳しく解説します。

グレインフリー理論の背景

グレインフリー理論の背景

穀物不使用(グレインフリー)ドッグフードのトレンドは、近年人気を集めているパレオダイエット(人間向け)に似ています。

精製された加工食品、調味料や砂糖は避けながら、良質なたんぱく質、(穀物を避けた)炭水化物、脂質をまんべんなく摂取するパレオダイエットは、我々の祖先が食べていた食事習慣に基づいています。

この理論によれば、加工食品や人工添加物を含まない食品は、現代病に悩まされることなく生きてきた祖先と同様に、現代人にも良い健康状態をもたらします。実際に、このダイエットを実践する人たちは、減量、抗炎症効果、満腹感の増加などの効果を感じているようです。

カリフォルニア州の獣医Tiffany Margolin博士は、この考えは犬の食習慣にも当てはまるのではないかと考え、研究していく中で犬の食物アレルギーの原因は穀物であると結論付けました。

Margolin博士によれば、炎症を引き起こす、または食物アレルギーがある場合には、まず初めに除去されるべき原材料が穀物であると言います。

昔の食事に穀物は含まれていた?!

このグレインフリー理論を裏付ける研究結果の一つをご紹介します。

ADFの創設者であり、栄養学研究者であるSteve Brown氏の研究結果によると、(パレオダイエットに相当する)犬の祖先の食事は、85-90%の動物肉、10-15%のベリー、ナッツ、その他の植物、そしてごく僅かな魚や卵で構成されていました。

つまり、彼らのカロリーのほぼ50%がタンパク質、44%が脂肪、6%が植物ベースの炭水化物から得られていました。

これらのことから、高タンパクと脂肪がバランスの取れた食事が、犬にとって最も健康的な組み合わせと言えます。言い換えれば、犬の祖先の食事には、ほとんど、もしくは全く穀物は含まれていませんでした。

ドッグフードに穀物が含まれる理由

ドッグフードに穀物が含まれる理由

では何故、現代のドライドッグフードには穀物が含まれているのでしょうか?それは、フィラーとして使用されているからです。乾燥した穀物は安価にドッグフードを製造することが出来ます。

しかし、先述したように犬の生態系を考えると、穀物を多く含むドッグフードは犬の栄養源としては不自然です。穀物は野生の動物が好んで食すものではありません。

キブル形成にも必要

穀物ではなく炭水化物(特にデンプン)という意味では、キブルの構造とテクスチャを作り出すのに役立ちます。デンプンが加熱されると糊化し、粘度が高くなり、他の成分と混ざり合いやすくなります。このプロセスはキブルの形成とその後の乾燥において重要であり、最終的な製品の硬さと嗜好性を決定します。

グルテンフリーとの違い

グレインフリーとは、そもそも何を意味するのでしょうか?よくグルテンフリーと混同されることがありますが、グレインフリーとグルテンフリーには違いがあることを覚えておくことが大切です。

グレインフリーとは、その名前が示す通り、いかなる穀物も含まないことを意味します。穀物とは、デンプンなどが豊富に含まれるものを指します。例えば、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦が穀物に当たります。

しかし、グルテンは特定の穀物に含まれるタンパク質を指します。したがって、グルテンフリーは、グルテンタンパク質を含まないことを意味しますが、必ずしもグレインフリーを意味するわけではありません。(一方、穀物不使用は常にグルテンを含まないことを意味します。)

犬にとってグルテンフリーの食事は必ずしも必要ではありませんが、多くの犬が人間と同じようにグルテンに敏感であるため、グルテンを避けることでアレルギー緩和に役立ちます。

グレインフリーが犬に与えるメリット

グレインフリーが犬に与えるメリット

穀物不使用が何を意味するかを解説してきたので、次は犬が穀物不使用の食事からどのようなメリットを得られるのかについて見ていきましょう。

アレルギーからの解放

一般的な食物アレルギーの症状には、慢性的な下痢や嘔吐、過剰な足舐め、かゆみ、炎症した皮膚、脱毛、耳の感染症などが挙げられます。

穀物が食物アレルギーの中でも一般的な原因であることから、穀物を避けた食事にすることで食物アレルギーを解決できる可能性が高まります。

一方、犬は特定の動物性タンパク質にもアレルギーを持つことがあります。単一の動物性タンパク質源のドッグフードにすることで、アレルギーの原因を特定しやすくなります。

消化・吸収の改善

炭水化物の消化・吸収において、人間は唾液に含まれるアミラーゼで初めの消化を行います。アミラーゼはデンプン質の複雑な炭水化物(サツマイモ、豆類、穀物など)を分解して単純な糖に変えてくれます。

しかし、犬は十二指腸にたどり着くまでアミラーゼを生成しないため、タンパク質よりも穀物といった炭水化物の消化が難しいとされています。したがって、穀物を減らすことで食事の消化が容易になり、その過程でより多くの栄養を吸収できるようになります。

もう一つの利点は、食べたものをより多く消化、そして吸収するため排泄物が少なくなり、おならの頻度や口臭も減少するかもしれません。

ただし、過剰なタンパク質は犬の体に負担をかける可能性があるため、バランスの取れたドッグフードであることが重要です。

満腹感の向上

食事の後に「まだお腹が空いている」と言わんばかりに見上げてくる犬を見て、おやつをねだっているだけだと思うかもしれませんが、実際に穀物を含むドッグフードは犬の食欲を増加させます。

我々もパスタやパンを食べても、少し時間が経つとすぐにお腹が空くのと同じです。

一方、グレインフリーのドッグフードに切り替えた犬は、食欲が減少する傾向にあります。というのも、穀物不使用の食事は、食物の栄養素を効果的に消化そして吸収するため、犬のお腹を満たしてくれるからです。

犬は必要な栄養素をすべて摂取しているため、食べ物を求めてこなくなるのです。

エネルギー増加と体重の減少

タンパク質からエネルギーを生成し、穀物を含まないことで高い消化率を実現することで、結果的にエネルギーが増加します。さらに、炭水化物減により体重の増加を防ぐことができます。

肥満傾向のある犬にとって、これは特に重要です。現代では肥満がますます深刻な問題となっているため、穀物不使用の食事は体重を減少させるのに役立ちます。

ただし、穀物不使用だからといって炭水化物の不使用ということではありません。グレインフリーのドライフードにも炭水化物が含まれており、犬の体重増加に寄与する可能性があるので注意が必要です。

グレインフリー製品で注意する事

穀物不使用のドッグフードだからといって必ずしも健康であるとは限りません。バランスの取れたドッグフードであることが大切です。

まずは、高品質の動物性タンパク質(鶏肉、ラム肉、魚、牛肉など)であることを確認することが重要です。可能であれば、その他の成分はオーガニックで、人口防腐剤、着色剤、添加物が含まれていないことが望ましいです。また、必要なビタミンが含まれていることを確認してください。

対象とする犬のサイズ、年齢、健康状態に応じて、穀物不使用の食事を導入するかどうか、およびどのように導入するかも大切なポイントです。

グレインフリー食品のOEM製造

グレインフリー食品のOEM製造

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タイでは、ペットフードのOEM製造の主要な拠点として知られています。近年、ペットフード市場の多様化と高品質化に伴い、タイのOEM工場でもプレミアムペットフードの開発が可能です。

ニュージーランドのOEM製造では、ニュージーランド産のオーガニック原材料を使用したスーパープレミアムドッグフードの開発が可能です。

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