ニュージーランド産のマヌカハニーは、その強力な抗菌作用と治癒効果で広く知られ、近年ではペットの健康にも注目されています。
特に犬にとって、マヌカハニーは自然な方法で健康をサポートし、免疫力を強化するなど様々な効果が期待できます。本記事では、愛犬の健康と日常ケアに役立つ「NZ産マヌカハニーの4つの効果」についてご紹介します。
ハチミツの治癒効果
まずは、一般的なハチミツについて解説していきます。ハチミツの薬効は何千年も前から知られており、今でも多くの科学者たちがハチミツの治癒効果について更なる研究を実施しています。一般的に加工されていない生のハチミツは、以下のような抗菌作用があります。
蜂蜜の抗菌作用
・抗菌性
・抗真菌性
・抗ウイルス性
これらの効果がある理由のひとつは、ハチミツに含まれている過酸化水素にあります。この過酸化水素が強力な抗菌剤となります。しかし、すべてのハチミツが同じ効果を持つというわけではなく、マヌカハニーが最も強力な効果を発揮すると言われています。
2015年には、FDA(アメリカ食品医薬品局)によってマヌカハニーを含む創傷被覆材が認証されました。これにより、ハチミツの創傷治癒力が一般医療にも取り入れられるようになりました。
マヌカハニーは、MRSA(普通の抗菌薬に効かない細菌で、皮膚や血液に感染することで様々な症状を引き起こす)のような医療の難題に対しても効果があるとされています。
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)とは抗生物質耐性のある細菌で、非常に治療が難しいものです。しかし、マヌカハニーはMRSAなどの抗生物質耐性菌による傷口の感染症を効果的に治療することが出来ると言われています。
癒しの蜂蜜「マヌカハニー」
このマヌカハニーは、マヌカの木(Leptospermum scoparium)から花蜜を運ぶニュージーランドとオーストラリアに生息するミツバチ達によって作られています。
古代の住民たちは、マヌカの木の樹皮や葉をハーブ茶として使用していました。もともとマヌカから抽出されるオイルは、人間のストレス緩和や心理的緊張を和らげることで知られていました。
マヌカハニーの魔法
でも何故、蜂蜜の中でもマヌカハニーは特別なのでしょうか?その理由は、以下の強力な成分により、感染症や病気への保護力をさらに高めてくれるからです。
- メチルグリオキサール(MGO):
マヌカハニーに自然に含まれる化合物で、マヌカハニーの種類によって異なります。
- ジヒドロキシアセトン(DHA):
マヌカの花の蜜に含まれ、ハチミツ生成過程でMGOに変換されます。
- レプトスペリン:マヌカ植物の蜜に含まれる自然成分です。
これらの成分により、マヌカハニーは一般的な蜂蜜も高い殺菌効果を発揮することが分かっています。というのも、一般的な蜂蜜には殺菌成分である過酸化水素のみを含んでいるのに対し、マヌカハニーはメチルグリオキサール(MGO)を含んでいるからです。
その為、ピロリ菌や大腸菌などの悪玉菌に対して、より高い殺菌効果を発揮します。ある試験によれば、約60種類の細菌に対して効果的であることが確認されています。これは、従来の薬が効かない感染症と闘う現代において非常に重要な役割を果たします。
治癒できる感染症の一部
マヌカハニーによる治癒効果があるとされる感染症の一部には、以下が含まれます。
- カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)
- 大腸菌(Escherichia coli)
- プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)
- 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)
- サルモネラ菌(Salmonella typhimurium)
- 赤痢菌(Serratia marcescens)
- 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
- 化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)
犬に対するマヌカハニーの4つの利点
抗菌・抗炎症効果を持つマヌカハニーは、腸内環境のケア、免疫力の向上など、さまざまな方法で犬の健康をサポートします。ここでは、マヌカハニーが犬に与える4つの利点について、その具体的な効果についてご紹介します。
1. プレバイオティクス効果
腸内環境の健康は犬の健康にとって非常に重要です。犬の免疫システムの約90%が腸内環境に関係しています。そのため、犬の腸内において適切な細菌バランスを保てるようにすることが大切です。
プロバイオティクスは犬が必要とする「善玉菌」です。そして、プレバイオティクスはプロバイオティクスの栄養源となり、その繁殖を助けます。マヌカハニーは天然のプレバイオティクスで、腸内の適切な細菌バランスを維持するのに役立ちます。
これにより、犬の自然な免疫反応をサポートし、回復を早める効果が期待できます。
2. 免疫サポートの強化
マヌカハニーを摂取して犬の腸内の善玉菌を増やすことで、免疫力を強化できるだけでなく、マヌカハニーには抗ウイルス作用もあります。
犬が健康で幸せな状態にあると、ウイルスによる病気のリスクが下がりますが、生活の中で免疫力を低下させる要因もあります。その一つがストレスです。ストレスは免疫システムを弱め、ウイルスや細菌感染のリスクを高めます。
ストレスを受けた犬に多く見られる病気の一つが犬インフルエンザやケンネルコフです。しかし、時にはストレスを避けられないこともあります。犬がアジリティやドッグショーのために移動したり、飼い主との旅行に出かけたりする場合も、感染のリスクが高くなります。
幸いなことに、マヌカハニーを定期的に摂取することで、犬の免疫力を高めることができます。
3. 抗酸化作用による保護
愛犬が病気やガンを予防するために抗酸化物質が必要です。抗酸化物質は老化現象を遅らせ、免疫システムをサポートします。
マヌカハニーに含まれる抗酸化物質により、体内の細胞を修復し、環境毒素によるダメージを防ぎます。例えば、以下のような環境毒素の影響に対抗する効果があります。
- 大気汚染
- 農薬、除草剤、肥料
- テクノロジーデバイスからの電磁周波
これらの影響を防ぐために抗酸化作用を持つマヌカハニーの摂取が有効です。サウジアラビアのある研究では、マヌカハニーに含まれるフラボノイドやフェノール酸が強力な抗酸化作用を持つことが示されました。
4. 口腔内の健康をサポート
犬にキスするのが好きな飼い主は多いのではないでしょうか。しかし、犬の口が臭いと、愛犬とはいえ躊躇してしまいますよね。犬の口臭はさまざまな要因が関係していますが、それらの多くは腸内環境状態に関係しており、腸内環境が乱れると、以下のような健康への影響が見られることがあります。
- 歯周病
- アレルギー症状
- 下痢や嘔吐
- 関節疾患
驚くことにマヌカハニーは歯周病を防ぐことができます。歯茎の下に細菌が増えると炎症が起こり、これが歯周病の最初の段階(歯肉炎)です。
チューリッヒ大学の研究者たちは、マヌカハニーがいくつかの口腔内細菌を抑制するのに効果的であることを確認しましたが、その際のマヌカハニーのグレードが重要であることが判明しました。口腔内細菌をコントロールするためには、UMF16+のグレードが必要であることが分かっています。
マヌカハニーの等級について
マヌカハニーを選ぶ際には、適切なグレードを選ぶことが重要です。2009年の研究によると、メチルグリオキサール(MGO)の多いハチミツほど、治癒効果が強力であることが分かっています。
そのため、マヌカハニーにはUMFというグレードシステムがあります。UMFとは「ユニーク・マヌカ・ファクター(Unique Manuka Factor)」の略で、MGOが多いほど値が高くなります。
マヌカハニーはUMF5+からUMF28+までの範囲で提供されていますが、治療目的で使用する場合は、最低でもUMF10+のものを選びましょう。
ケンネルコフのような感染症を治療するためには、UMF20+以上のものを選ぶのがおすすめです。
使用する際の注意点
糖分が多いため、糖尿病の犬にはマヌカハニーを与えないほうが良いでしょう。
また、1歳未満の犬にも与えないでください。マヌカハニーに含まれる細菌は、発達中の免疫システムには負担が大きすぎる可能性があります。
ほとんどの成犬はマヌカハニーを問題なく摂取できますが、犬の個々のニーズに応じて、ホリスティックな獣医師に相談することをお勧めします。